四)BRICsと『水道の哲学』

 「世界の工場」は中韓台印ブラジルに移行しつつある。「産業革命」が軌道に乗ると「中流」が生まれ「消費者」に化けるのが自然だが、BRICsの「中流」は2050時点でも年収350万程度と推定されている*1。ただし数が多い。

 従って、「サムスン品質に満足できない富裕層狙い」は、「21世紀のT型フォード」に一掃されるだろう。ネトブが「マイ・ファーストPC」、タタ・ナノが「マイ・ファースト・自家用車」な人々は生涯そのブランドを忘れないし、G6の消費者もリーズナブル(合理的)な選択が嫌いなワケではない*2

 「フェラーリを目指す」という場合は別にして*3、生き残りの鍵は「価格性能比における革命*4」だ。必要にして充分なクルマ、必要にして充分なパソコン、必要にして充分なケータイ、、、これらを「年収350を目指す人々」に、水道のように安価にかつ大量に供給するものが勝つ。

 シェアの高さが七難隠す。「貧より生じる全ての悪を滅せん」は、品質、性能、技術の全てで「追いつき、追い越す」。

 大多数の印度人にとって、カローラはデカ過ぎる。手の届くねだんでもない。「日本の技術は世界一ィイイ!!」は死亡フラグだ。

*1:一人アタマGDPがG6並になるという事ではない

*2:特に日本と韓国の区別もあいまいな連中に「国産信仰」は無い。中国も印度も「第二第三の日本」に過ぎない。「この値段でこれだけの役に立つなら、充分だ!」で動く。

*3:この場合、ラインナップに「安物」を置いておく事はできない。格が下がるからだ。

*4:かせおか