サーバー型放送、二次利用許諾——関本好則氏が語る「NHKオンデマンド」の内幕

  • 『コンテンツ流通が進まないのはテレビ局が悪いとか権利者が悪いなどといわれているが、実際に許諾を得るのが難しいのは一般の方であるケースが多い』
  • 『最も許諾を得やすいのは、「見逃 し番組」についての許諾を「プロ」から得る場合という。』
  • 『実演家などの権利者団体に加盟している人は、ほとんどの場合、その権利者団体との団体交渉で包括的に許可をいただいている。許諾をいただけない人とは、そもそも出演交渉をしないので問題が発生することはない』

さぁて、「ネット権」や「流通の促進」でこの手間とシハライが省けるのは、誰かなぁ?

  • 『最も困難なのが、アマチュアで「特選ライブラリー」向けの許諾を得る場合だ。「日本では、年間300万人の国民が移動しているといわれている。 『新日本紀行』など、30年前の番組の出演者を探し出すのは大変な作業だ。また、当時貧乏であった方、あるいはタケノコ族で不良だった方などは、『過去を暴くような映像を公開してくれるな』という人もおり、実際にクレームを受けた例もある。一般人として出ている方の許諾はいらないのではという考え方もある かもしれないが、実際にはここが一番大変な作業になっている」(関本氏)』

深い。含蓄ありまくりだ。

  • 民放の場合はプロの出演者 が多いため、同様のネット配信に取り組むとしてもここまで苦労することは少ないだろうがNHKの場合は大変。それでも、許諾を得るための交渉を始めてか ら8カ月程度で、1200番組の配信を実現したのはすごいことだと思っている

うん。すごい。立派だと思ってる。「権利者がわるい」にはあまり納得していない。

  • 2005頃BBCに『今後、ネット配信の二次利用許諾の付かない映像素材は、購入もしないし共同製作もしない』と明言された。これはプラネットアースに限った話ではなく、米National Geographic Societyからも同様のことを言われた。これらの通告は、二次利用許諾を推進しない限り、NHKは国際共同制作ができなくなってしまうことを意味する』