『肩たたき慣行廃止&65歳定年制への段階的引き上げ』はよいな。よい。
2008年12月20日3時3分
民主党は19日、政府による国家公務員の天下りあっせんを禁止する新しい「天下り根絶法案」をまとめた。早期退職を組織的に促す「肩たたき」の慣行も禁じ、職員の定年を65歳に段階的に引き上げる規定を盛り込んだ。来年の通常国会への提出をめざす。
今回の法案では、07年通常国会に提出した法案にあった「離職後5年間の営利企業への再就職禁止」といった事前規制を撤廃したのが特徴。官民交流促進や職員の士気に配慮するなど、政権交代をにらんで現実路線を強くにじませた内容になっている。
要綱では、基本理念として(1)公務の公正性確保(2)職員が意欲と誇りを持って働けるようにする(3)多様な人材確保と官民人材交流を阻害しない——などと掲げた。
あっせん禁止規定では「政府は組織的な再就職あっせんを行わない」と明記。「公務の公正性の確保に支障が生じないと認められる場合」とする例外規定を併記した。政府があっせんを一元化する「官民人材交流センター」は廃止するとした。
各省のあっせんの動機となっている「肩たたき」は定員・予算削減による人員整理を除き、全面的に禁止。一方、同期入省組から事務次官1人が最終的に残るピラミッド型人事制度を改めるため、定年を段階的に65歳まで引き上げる。高年齢職員の給与抑制や年齢に応じた職種の新設などを検討することも明記した。
詳しい制度設計は法施行後1年以内に行い、国家公務員法など関連法を整備する。
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- 公務員の再就職業務を一元化させる「官民人材交流センター」を作ったり、
- 「再就職等監視委員会」を作ったり、
- ましてやその委員長を首相が兼任する場合、
- 結局は実務をこなす事務方の人選で実効性が決まる。
- 誰がやるってそりゃ、各省庁からの出向なんで。
- 「親元」の顔みて仕事すりゃあ、キレイに骨抜きになるだろう。
- マナーが良い官僚さんなら、骨も残さず巨大な天下り先にしちゃうだろうよ。
- 民主、いい案をだすぢゃないか。
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- 『同期入省組から事務次官1人が最終的に残るピラミッド型人事制度』で抜けた人材は、
- 無数の特殊法人・公団・社団・財団法人・所轄の業界に天下ってゆく。
- 彼らが構築する「天上人ネットワーク」は、
- 日本の大規模組織の上層部を縦横無尽に接着し、
- それが「事実上の統治機構」となっている。
- このネットワークに取り付いて
- 地元やギョーカイにオカネを流すのが
- おらがセンセイ。族議員。
- 彼らはその代償として、
- 公団や社団や財団法人を、沢山つくる。
- それが良い議員。
- 派閥論功大臣や
- くるくる変わる短命政権など
- 誰がなろうが一緒だ一緒だ。
- これが「古い自民党」
- 上級官僚の「我々が国の行く末を左右するのだ」という気概には、
- 裏打ちがありまくる。
- このシカケの中で、
- 沢山の人が
- 仕事にありついている。
- 手の汚れていない会社など
- 山手線の内側にありはしない。
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- 同じ構造は、
- フラクタルのように、
- 日本を覆っている。
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- 「業績」というチェックが数字で出る民間企業は、
- いち早くこのシカケを崩しにかかったが、
- まだ充分ではない。
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- そんなにさくっといくものではないのだ。
- 明治維新以来の、ジャパニーズ・トラディショナル・ライフスタイルなのだから。
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- この「事実上の統治機構」には、得難いメリットがある。
- 例えば、ある企業が、
- 「アメリカでスゴい発明Xが生まれた」
- という情報を掴んだとしよう。
- その情報は瞬時に業界団体に流れ、
- 「天上人ネットワーク」を通じ「事実上の統治機構」全体で共有される。
- 各所でその影響が検討され、評価され、対策がまとめられ、中央省庁に集約される。
- 意気揚々と「X」を売り込みに来たアメリカ人は、
- 見本の通関で手間取り、アポイントで手間取り、不可解な理由で取引を断られ、日本では特許が成立してないと言われ、輸出を困難にする法案が最近成立した事を知り、仕上げに工場で「もっと良いX(独自開発)」を見せられ、
- どこにぶつけたら良いかわからない怒りを抱いて帰ってゆく。
- 非関税障壁とは、旨い事を言ったものだ。
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- 一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スヘシ
- 一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
- 一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
- 一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
- 一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
- 五箇条の御誓文的には百点満点のシステムだ。
- よく出来ている。実によく出来ている。日本スゲェ。
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- したがって、
- 本来「事実上の統治機構」は
- 高度経済成長の終わった頃には
- 大がかりな再編成に着手すべきだったのだろう。
- しかしこれは、大勢の人におおきなおおきな痛みを強いる。
- あまり時間もないのだけど、一気にできる事ではない。
- 食料自給率が40%では、下手を打てば餓死が出る。
- 国鉄や、専売公社や、電電公社や日本航空を民営化した中曽根さん(1982〜1987)や、
- 郵政や、道路関係四公団・石油公団・住宅金融公庫などを民営化した小泉さん(2001〜2006)は、
- 大物だと思う。
- 景気が悪いと、それどころではないと言う話になりがちだけども。
- やらずに済む話でもないだろう。
- 日本がこの先どん底に沈もうが、今持ってるもんを失う事になろうが、
- 「追いつき、追い越す」ためのお手本はどこにもないのだし。
- 明日伸びんが為に今日縮むのでありますよ。
いいぢゃん別に。日本スゲェって言ってもらえりゃ。それが孫だかひ孫だか知らんが。
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ところで。いきなり『肩たたき慣行廃止』てのもやや無理がありゃせんかと思う。特に官僚さんに義理はないけど、守れないルールを押し付ける事になっては改革の実があがらぬ。65歳まで働けますと言ったって、大概の上級公務員は75〜6まで「ワタれる」のだ。ほとんどの人はその胸算用があるだろうし、省庁の中に新たに仕事を作るにしても、試行錯誤の時間は必要だ(追記:だいたい人件費どうすんねん。新規採用抑制すんのかってハナシ)。
ここは一つ、チケット制にしてはどうか。「肩たたき券」。なんちて。
いち早く改革を進めた省庁は、他所に売って良い事にしてはどうか。「排出権取引」。なんちて。