無題ブクマ

  • 日本経済は、この20年間にわたって停滞を続けている
  • (グローバル・インバランスの拡大がもたらした2002-07年の好況を除く)
  • 長期低迷の根本は、従来型の日本の経済システムが内的、外的変化に不適合になっていること
  1. キャッチアップ型成長段階の終焉(内的変化)
  2. 冷戦の終わりと大競争時代の始まり(外的変化)
    • ベルリンの壁の崩壊(1989)以降、市場経済への参加人口は、約10億人→約40億人。
    • 先進国は、知識集約型産業サービス産業産業構造をシフトさせていく必要がある。
    • しかし日本は、旧来型の産業構造の延命政策をとってきた。
      • 1長期的取引関係2企業特殊的な熟練など、文脈的技能を重視する経済システムの結果、転換コストが大。
      • 1:終身雇用、ケイレツ、モチアイ、下請け孫請け("業者"はウラから入って下さい)、大企業あっての中小企業、、、
      • 2:終身雇用、マエノカミ、転職面接でなにができます?に対し「ブチョーができます!」、、、
  3. 部分最適化の限界
    • 終身ケツモチの抑制と非・終身ケツモチの拡大
      • =中高年の雇用維持と若年雇用の縮退
      • これは若年層の「就労を通じた技能形成の機会」の減殺。次世代の人的資本の劣化を生む。
    • 輸出型の製造業は、高機能製品を主力とする路線をとった
      • 2002-07好況の大部分はこれに負う。≒マネーゲームで膨れた米消費者のクレカ頼み。
      • この間、テクノザウルス・ハイテク教が末期的な様相を呈した。
      • 日本は、08Q4金融危機の最大ダメージ国。
    • 製造業は、再び生産の海外移転の動きが拡大している。
      • 含むBPO(水道の哲学2.0)
  4. 経済システムの再構築
    • 社会システムの形成は2つの要素が必要。
      • 1:自生的秩序形成。無数の主体の行動が合成された結果。← ≒ 自由主義
      • 2:合理的なルールの設計。政策的な誘導。← ≒ 日本はココが弱い

経済システムの再構築の例

  • 1908:T型フォード。大量生産革命の始祖鳥。製品と同時に「モノの生産消費者」も生産
  • WW1バブルとローリング20's
  • 1929:世界恐慌
  • 1933:F.ルーズベルト当選。修正資本主義
    • 農業調整法
      • 農業生産の制限、過剰生産物の政府買い上げな→農産物価格の安定化で農民の救済と購買力回復を目指した。
    • 全国産業復興法
      • 企業の生産を規制。適正利潤を確保させる一方 ← 2年後に違憲判決
      • 労働者の団結権・団体交渉権を認め、最低賃金を確保させ、 ← ワグナー法に引き継ぐ。
      • 生産力や購買力の向上を目指そうとした。
    • ワグナー法(全国労働関係法)
      • 目的:労働者の権利保護、実質賃金引き上げによる消費活性化
      • 最低賃金、最高労働時間、労働者の団結権と団体交渉権を保障。不当解雇、御用組合、差別待遇、雇用主による不当労働行為を禁止。
      • 結果:失業率が高止まりしたままで購買力は低い水準にとどまった。

ニューディール」は経済的な結果を出せず、結局米国はWW2という「天佑」で回復した。戦後、労働者の権利は大幅に制限される。ただし、この間に台頭した「リベラリズム自由主義)」という名の社会民主主義は、末永く米国の基幹理念となった。

いずれにせよ「自生的秩序形成」と「合理的なルールの設計」の間には、数十年単位の模索が要るようだ。

なお、日独は、同区間全体主義的な政治制度を育んだ。

2010年01月22日(金)松浦晋也氏のtweetから

  • 松浦晋也 (ShinyaMatsuura) on Twitter
    • 読了。「イスラームの日常世界 (岩波新書)」片倉 もとこ著 (Amazon) http://bit.ly/4FBX7w イスラム世界の日常感覚をコンパクトにまとめた好著。1991年出版だが、今なお読む価値がある。posted at 11:46:12
    • かなりイスラムに好意的かつ欧米社会に批判的に書かれているが、描かれるイスラム社会のありようは新鮮。自分がイスラムに無知だったことを痛感させられる。posted at 11:47:22
    • 例えば女性差別の象徴と見なされるチャドルだが、実は「男社会」「女社会」が画然と分離していて、女性が女社会に入る“切符”がチャドルなのだそうだ。そして、女社会は女同士の気楽さがあり、しかも男社会と女社会の勢力はやや女社会のほうが上なのだとか。posted at 11:49:59
    • あるいは、無責任の象徴ともされる“インシャラー(神の意のままに)”という言葉も、「人事を尽くして天命を待つ」に近い意味がある。その背後には、人生を本質的に流転するものと捉え、ストックよりもフローを重視する姿勢があるとのこと。posted at 11:52:33
    • ストックに執着する者はケチとして軽蔑され、フローとして貧乏人に喜捨するものが尊敬される。喜捨して貧乏になってしまうのもダメで、喜捨しつつ稼ぎ続ける、つまりフローを維持できることが尊敬の条件になる…なるほど、である。posted at 11:54:59
    • 労働より思索や芸事を上に置くというのも、納得。でなければ中世にギリシャの文化を維持発展などできなかったろうし。同時にアフリカ当たりで奴隷商人として活動した理由もこれなのだろう。奴隷にイスラム教が拡がった場合は、どのあたりで「アラーのもとの平等」に組み入れたか興味があるな。posted at 11:57:34
    • 一読の価値あり。案外ネットにはイスラムの考え方が合っているのかも、と思ってしまった。posted at 11:57:41