ネットユーザーに何ができる? - コデラノブログ 3 を読んで。

 「ネットの政治化」という事なら韓国が先行事例だろう。全く同じプロセスを日本が踏むとは思わないが、参考にはなるはずだ。やや具体的には、

  「落選運動→ポピュリスト→揺り戻し」

 ここまでがワンセット。このプロセスを繰り返して洗練させてゆく。ちゅうカンジになるように思う。

背景要素

推進エンジンは386世代

386世代-wikipedia

  • 60年代生まれで80年代に大学紛争、90年代に30代。
  • 683世代でないのはインテルi386搭載PCにちなんだためだとか。
  • 概ね日本の団塊世代に相当すると思う。
    • 朝鮮戦争は1953停戦。「戦争を知らない子供達」は人口構成比で有利。
  • 盧武鉉支持基盤の中心。
  • アジア通貨危機の打撃で韓国はIMF管理下に入ったが(2001まで)、その後のIT革命の中心世代
  • 今日の経済を牽引している映画分野でも中心世代
  • 女性の社会進出も386世代の大きな特徴
  • 反米感情が強い世代(ただし、北朝鮮の核実験以降は変化)。
PCとネットの生活定着度

 例えば、兵役。以下、2004刊行の「韓国の軍隊(中公新書)」より。

  1. 徴兵検査の日時は、通知書の他、兵務庁HPに本人の住民番号を入力すれば確認できる。
  2. 入隊通知書は書留だが、個人別の入営部隊および日時はインターネットと自動応答電話で需要者に連絡される。
  3. 具体的な入隊日は、兵務庁HPの「インターネット相談願」で希望を出せる。配属先部隊の現況が表示され、希望日をクリックすると同時入営日が確定する。

 たしか90年代には、全国の郵便局にPCが配置され、家に無くてもATMのような感覚でPCやネットに親しめるようになっていたかと思う。この結果、田舎のばぁちゃんが孫の配属先や入営日を郵便局で確認するとゆうようなカンジであったらしい。

 このネット普及の立役者は「大韓民国情報通信部」1994年12月から2008年2月まで存在。情報通信部は現在、解体され、所管事務は行政安全部、文化体育観光部、知識経済部に移管されている。こうしたダイナミックな省庁再編は、大統領制ならではだろう。日本では官僚の抵抗が強すぎる。

メモ

  「落選運動→ポピュリスト→揺り戻し」

 問題は日本人がこのプロセスを許容できるか否か。

 巷間、韓国人には一時の感情で暴走するかのごときイメージがあるが、儒教道徳には「情より理を重んじるべし」という根本原則があり、全体としてはかなりクレバーな動きをする。
 国内でそうした情報が少ないのは、日本人は、全体としてはその場の情緒で動くせいだと思う。日露戦のようにとてつもねぇ事もやってみせれば日中/日米戦のようにとんでもない事もする。