自販機にタスポぶら下げて、なにがいかんとや?

1.http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080604k0000m040158000c.html
  • カードを発行する「日本たばこ協会
    • 「成人識別制度や業界の信用を失墜させる行為」
2.http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080606-00000011-maiall-soci
  • 日本たばこ協会
    • 「成人であることを確認すれば対面販売と同じ」
    • 「禁止事項の『譲渡・貸与』にはあたらない」
3.広島県警でタスポ使い回し…売店の女性店員名義
  • 日本たばこ協会
    • 「取り締まる側の警察で発覚したのは大変遺憾。カードの信用をおとしめる行為で、早急に事実関係を確認した上で、撤去を申し入れる」
4.http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/26279
1〜3のいずれのケースでも具体的な法律名が出てこない。
  • なぜ「制度の信用」「好ましくない」といった「曖昧なコトバ」のみで批判するのか?
  • 「禁止事項の『譲渡・貸与』」とは、B-CAS同様の「民間機関と私人間の契約」という事か?
  • 「タスポ」は「未成年者喫煙禁止法」と「無関係」と言う事か?

「タスポ」の目標

法律の有無はひとまず置く。
「タスポ」の目標は「未成年者の喫煙禁止を徹底すること」だ。そのための「年齢認証型自販機への切り替え」は条約上の義務である事から始まっている。

「タスポの目標」に照らして見た場合、

  1. 1番の「ぶらさげ」は「未成年者の喫煙禁止」に資さない。成人識別の必要性、国際条約義務から説きおこすべきだ。
  2. 2番の「ぶらさげ」は「事実上の対面販売(タスポ・オン・デマンド)」だ。だがコレバリバリに「貸与」だと思うよあたしゃ。
  3. 3番の「ぶらさげ」は、そもそも『広島県警本部12階にある自販機』でタバコ買う未成年おるんかと(おらんとはいえんのが広島っつうイメージはあるが^^;)。

自分の感覚では、1番はマズい。2番は問題視するにあたらない。3番はグレイ。事実上問題なさげだが、「警察署内はタスポ・フリー」ってのもどうかという点で。

5. http://www.asahi.com/national/update/0606/SEB200806060002.html
  • 日本たばこ協会・未成年者喫煙防止対策室長
    • 「カードの備え付けは貸与と同じか、それ以上に悪質。制度の趣旨、信頼を根幹から揺るがす行為で、業界を通じて監視を強化する」

「ぶらさげ」は、まだケースバイケースで見るべき時期ではないか。
だって日本は世界一自販機の普及した国で、タバコはその稼ぎ頭なのだもの。これを「対面販売」に切り替えるに、制度一個でぽんと済むとは考えにくい。2番方式が広く世間に認められるなら、それで「未成年者の喫煙禁止」は大きく前進するし、条約義務もばっちりだ。ついでに「人件費かかるんで値上げさしてください」でもいいのぢゃまいか(なにも値上げぶんを全部税金に回す事は無い)。

むしろ「事実上の対面販売(人力年齢認証・オン・デマンド)」への切り替えが進まない場合、つまり現状の無人販売が前提のタスポの使い方を押し通した場合、普及すればするほど、貸与や譲渡のリスクが高まるはずだ。

、、、もしかして、そのための写真とICチップ?。貸与者や譲渡者予備軍(未来の未成年者喫煙禁止法違反者)に首輪バラまいてるわけ?2番のほうが安くね?総社会コスト的に。県警本部はともかく、未成年の入場が事実上ゼロな場所の自販機はタスポ・フリーで問題なくね?それとも「ぶらさげ禁止」を押し通すべく、制度的エンフォースメントって話になるのだろうか。

「正しい事」を「厳しく言う」だけでみんな言う通りにするなら、世の中苦労などないのだがな。
なんつうか、、、たまには一服してみてはどうか。

メモ

  1. なんらかの公的目標を達成する手段として、
  2. 民間の業界団体が
  3. 行政機構とともに
  4. 「事実上の行政機構」を形成し、
  5. 「法的根拠が曖昧なまま」
  6. ステークホルダー全員に「私人間契約を求める事で」
  7. 実施に当たる。

このシカケは、日本固有の行政手法だが、近年、2〜4のプロセスがはじき出す「民意の近似値」は、精度低下が著しいように思う*1B-CASカードとも良く似ているように思う。

*1:この精度さえ充分なら、手続き上は非民主的だろうがわしゃ構わん。うお、ニッポンすげぇ!、と感心するだけだ