『地デジ問題』に切り込む確率が低い議員のリスト

 2008年6月30日17時38分
テレビ出演料や印税を含む「雑所得」が多かった主な議員。

07年 06年 メモ
小池百合子 1653 288
麻生太郎 1116 241
鈴木宗男 721 852
渡辺喜美 668 133
平沢勝栄 451 648
谷垣禎一 421 402
中川昭一 420 269
永妻昭 410 266 消えた年金とか居酒屋タクシーとかの人。
原口一博 392 309
石破茂 350 350

(単位は万円 敬称略)

 30日公開された国会議員の07年分の所得等報告書で、「テレビ出演料」などと記入した議員数が、過去10年で最多の106人に上った。「有権者に顔が売れる」などの理由でテレビ出演に前向きな議員が増えているうえ、時事問題がテーマのバラエティー番組の増加もあり、テレビ局も政治家への出演依頼を活発化させていることが背景にあるようだ。
 所得等報告書には、政治家のテレビ出演料や講演料、自著の印税などによる所得を、おもに「雑所得」欄に記入する。ここでテレビ出演料とみられる所得を公開した議員数は、00年代初めの60人前後から昨年公表時は82人。今回は所得公開対象の国会議員645人のうち106人と過去10年で最も多かった。
 雑所得が最高金額だったのは、防衛事務次官との激しい対立のあとメディアに頻繁に登場した小池百合子元防衛相の1653万円(昨年公表比1365万円増)、次いで07年9月の自民党総裁選に名乗りをあげた麻生太郎同党前幹事長の1116万円(同875万円増)。両氏は自著の印税もあり、雑所得の大幅増につながった。
 このほか、公務員制度改革に取り組む渡辺行政改革担当相の668万円(同535万円増)、年金問題を追及する民主党衆院議員の長妻昭氏の410万円(同144万円増)ら、テレビを通じて政策を主張する議員が目立つ。
 複数の国会議員らによると、テレビの出演料は1回1万〜5万円ほどが相場。毎月4回はテレビに出演し、今回も250万円の雑所得を報告した自民党参院議員の山本一太氏は「テレビは多くの国民に党や私の考えを伝えられる手段。テレビ局に呼ばれれば、私はすべての番組に出る」と言い切る。
 「テレビ議員」増殖の背景について、放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは「文化人やタレントに比べギャラが安く抑えられ、芸能プロとのしがらみもない。視聴者の受けが悪ければ、すぐ替えることもできる。テレビ局にとっては起用しやすい存在」とみる。(安原裕人)

 日本の政治はかなりの部分が「業界団体ピラミッド」で動いてる。業界団体とはいうものの、カバー範囲はかなり広い。正確には広かった。

    所管官庁
    業界団体
  会 社, 会 社, 会 社,
従業員, 従業員, 下請け,下請け

  1. 「所管官庁」は、業界団体を通じて情報を集め「民意の近似値」を把握する。利害関係は▲の各階層で「調整」される。
  2. 「行政指導」は、すでに情報が▲の中を上って行く過程で「調整」済みなので「利害関係者の総意」とそう遠くも無く、受け入れられやすい。

 この結果、日本の行政機構は異様にコストが安く*1、動きも早い。また、所管官庁の数だけ三角があり、会社も業界団体も複雑に絡み合っているので、時に全体が一個の有機体のように連動して動く。横から見ると三角ピラミッドだが、上からみたらフラットな…ちょうどインターネットのノード図みたいになるはずだ。

 「固定的な下請け関係」や「終身雇用制」が崩れるということは、「三角の外側の人」が増えるという事だ。B-CASやタスポの例を引くまでもなく、この三角がはじき出す「民意の近似値」はかなりブレてきている。もとよりこの三角形の中に「消費者の利害」や「生活者の利害」は入っていない。

 この「三角の外側」で、独立系中小企業、個人事務所、ワーキングプア、キャリア志向で別の三角に行く個人、などなど、が数を増やしている。国会議員/議員を志す者にとって、「三角の外側」はそれなりに魅力的な票田だ。
 「三角の外側」へのアクセス手段として、確かにテレビが最も手っ取り早い。山本一太さんの『テレビは多くの国民に党や私の考えを伝えられる手段。テレビ局に呼ばれれば、私はすべての番組に出る』は、正しい。

 つまり、この表に乗るような議員さんは、地デジの問題点に切り込む確率が低いように思う。

関連:

*1:天下りの取り分は国の人件費に出てこない。補助金+ある程度は業界団体が会員会社から集める。税金と受益者負担のハイブリッド構造と言える。