わかりやすいわるものたたき

 全般に理屈ではそうなのだろうが、同じ理屈で特許権も廃止できそうな印象を受けた。現行著作権には極めて納得のいかない弊害があるが、それで廃止論に直行すっと禁煙教じみてくる。「正しい」だけじゃちょっとケムイ。
 岸さんへのカウンターとゆう面はあるにしても、『「地上における神の国」の実現を求める』ようになってはちと困る。

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  • 『情報の価値は、貨幣ではなく情報の流通量と質で評価すべきだ。』これは同意。理想的だ。

たとえば私が論文を書くとき、昔は図書館へ行ってコピーをとったり有料データベースを検索したが、今は新しい論文はほとんどウェブでDPとして入手できる。これによって私の効用は大きく増加したが、オンラインデータベース業界はほとんど壊滅したので、GDP統計ではマイナスだろう。つまり市場を通さないで流通する情報が増えると、GDPはしばしば逆指標になるのだ。エイベックスのような衰退産業を守ることがプラスで、P2PSNSのようなイノベーションはマイナスと評価されてしまう。

 「最初は不細工に見えるかもしれないけれど、世界では常にあたらしいなにかが生まれているんだよ」とかなんとか『魔法陣グルグル』で見た。

 ただ細かい例示や言い回しにひっかかるオレ。

もちろん作品をつくるための投資は必要だが、ハリウッドのように巨大な資本を投じて「マトリックス」とか「チャーリーズ・エンジェル」のような安っぽい漫画を量産することは、本質的な情報生産ではなく、鍋釜と同じようなものだ。長編映画や長編小説の誕生が資本主義と軌を一にしているしていることで明らかなように、それは大量消費社会で情報に一定のボリュームを出して数千円の価格をつけるための奇形的な作品形態にすぎない。それはもちろん今後も残るが、衰退してゆくだろう。

 なんつうか、『安っぽい漫画』よりガクモンのほうが偉い、みたいな底意が筆先に見えて不快だ。少なくとも北米市場においては光学ディスクは相当安い*1

 有り体に言えば近代的な教育・研究機関の頂点としての「大学」そのものが資本主義と軌を一にしているし、文部科学省補助金抜きで喰ってる大学というのもオレは知らない。

  • 『デザイナーは「著作権」なんか主張しない。』んなこたぁない。

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著作権」に対する自分の立場

妖精現実コピペ

日本の著作権法

自分の著作権

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