080722、08年労働経済白書(厚労省)マ界篇

  1. 成果主義の運用見直し指摘 08年版労働経済白書(47news.jp)
  2. 成果主義制度の改善提案 08年版労働経済白書 - 中国新聞ニュース
  3. 派遣・パートの増加「仕事の満足感低下」…労働白書 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
  4. asahi.com朝日新聞社):非正規雇用頼み、生産性の停滞に 労働経済白書

 自分は、雷句-小学館訴訟の背景には、「雑誌部数減に伴う出版社の収益向上バイアスが、マンガの収益よりアニメなど二次利用の収益を重視する姿勢に繋がった説」を持っているのだけど、出版社が「成果主義」を導入してるかどうかは知らない。もしも導入しているのであれば、やり方によっては、この仮説を補強する可能性がある。

仮説概要:「経営陣→編集長→担当編集者」までが「チーム出版社」として収益責任を背負う。従って、マンガ家から見ると(担)は「共にサクヒンを創りあげべきナカーマの一人」でもあるのだが、(担)はもともと「部数向上バイアス」が強い。これが「部数バイアス」であるうちは良い効能がある。「売れる作品が良いサクヒン!読者の為に!」は、全体としてはマンガ家が独善に陥るリスクを減らす*1。しかし「純粋な収益向上バイアス」は、比較的容易に「儲けはアニメで出す。オマエなんか下請けだ」に陥るリスクがある*2

余談:いずれにせよ、マ界は敗戦直後からバブル崩壊期まで一貫して右肩上がりで来たので、事業構造から、はたらくひとのメンタリティまで、なんらかの仕切り直しが必要なように思う。
 逆に、ここを乗り切れねば、日本のソフトパワーはシツケ糸を抜いたように崩れ落ちるかもしれない。アニメ屋もゲーム屋も、マンガ屋には多くを背負っている。いくらモノをつくっても、それだけでは、手にできるのは「カオの見えない日本人」「エコノミック・アニマル」の称号くらいだ。あそこには戻りたくねぇ。ハイテクテレビで「ワパニーズ」は生まれない。『「文化 から生活スタイルまで 何もかもがあこがれ」の日本』にはなれない。クール・ジャパンソフトパワー?コンテンツ?要らぬ二つ名で語るな。んなもなぁ、マンガとアニメとゲームのオマケだ。

*1:市場が充分に大きければ、そこから抜け落ちた作家も「消えたマンガ家」としてマニアに珍重される余地が生まれる

*2:マンガ売るならまずセカイをマンガ漬けにしなければ