壱)自分の脳内補助線。
以下の二つは根源的に対立する。
- 「囲いを設けて一回幾らで金を取る」は芸事商売の基本。売り物を囲いから「出すか出さないか、どう出すか」は、ジャーマネが決める事*1。
- 自由な技術の進歩にはオプトアウトが適している。文句があるなら言ってこい*2。
北米 | 日本 | |
1 | ハリウッド, RIAA | 放送局,JASRAC |
2 | ソフト/Webサービス産業 | 家電メーカー |
※「北米1番」は、「北米2番」だけでなく「日本2番」もコントロールしたい(cf:Blu-Lay/HD DVDの仕様など)。「日本1番」は「北米2番」にも文句を言う。国内の1番と2番は「事前の擦り合わせ」を行うが、妥協点が消費者の許容範囲を突き抜けてしまい、責任のなすり合いみたいな事になっている。
北米と日本では、各陣営の所属要素が異なる点に注意すべきかも知れない。北米では1番がアンシャン・レジーム、2番がややイノベーティブと言えるが、国内では「20世紀型産業構造の内輪もめ」の色彩が濃い(北米の家電メーカーは、遅くとも80年代末までに日本が「撃滅」した)。雑駁に言って国内の二番は、「日本を支える製造業」が自らに有利な形で「情報革命」を取り込んだ状態、と言えると思ってます*3。
国内に絞ってこの対立軸をメンタリティで分けると、
- プロのコンテンツが王様です!!
- ハイテクハイテク日本はやっぱりモノツクリ!!
これはどちらも「既得権益のコピー構造」を志向する「現状は快適メンタリティ*4」だが、それで喰ってる人がある以上、無視はし難い。
喰ってる人があるという事は、そこになんらかの利権(経済私権)があると言う事だ。対立軸を「知的財産権」で分けると、
- 著作利権
- 特許利権(モノツク利権)
正直、フェアユースフェアユースゆうたら特許にもフェアユース規定が要るんでないかという気もすんのだが*5、金が動く以上はGDP(≒経済成長)に関わる。現状、日本のGDPはモノツク利権の稼ぎに負うところが大きいのは事実だが、将来のリスクヘッジ。という事を考えると、集金マシーンはバランスよく組み合わせておきたいところだ。そもそも日本の現状は「クリエイタの得べかりし利益」を分捕っているように見える部分もある*6。
現在、英国と言ったら絹織物よりビートルズ、人によっては金融とゆう感じだろう。ダイソンの掃除機は嫌いではないが*7、あれで喰ってる国では無い。
あ、製造業は「ごはん」でコンテンツは「おかず」というのはどうか。コメにコダワリ抜くだけでも、おかずを豪華にするだけでも「おいしい幕の内弁当」はできませんよ。みたいな。そんな感じで、産業構造のポートフォリオ(取り合わせというほどの意味)を考えた方が良いような気がしないではない。
なお、消費者は「消費で喰ってる」わけではないので、「買わない*8」と「文句を言う*9」くらいしかできない。キャスティングボードを握っていると言えば聞こえが良いが、要は水の甘そうなほうにつく。
*1:ユメを作る連中にショーバイはできない。ユメを売るショーバイはカタギにはできない。取れる時に取れるところからマキシマムに取る事を怠れば、ユメで喰う事はできない。
*2:民法の原則に『権利の上に眠る者はこれを保護せず』てのがあったと思う。
*5:エイズ薬とかだけでなく、xvid, x264, ffmpeg, MPlayer, MP4boxやVLCなど。
*6:「無料放送が圧倒的」ではクリエイタに成果に応じた報酬が渡る事は期待できないし、そこに「録画文化」が乗っかってるとなると、日本は映像創作で喰って行くには厳しい国かもしんない
*7:むしろ大好物ですが、ARMともども、製造現場での「カイゼン」に強い日本に向くのかなとゆう気がする。
*8:サイレント魔女リティ