2011地アナ停波後の「テレビ」
- テレビの想定稼働台数:1億〜1.2億台。
- 08秋「地デジ対応テレビ」の累計出荷台数:約4千万台
- 08秋「地デジ非対応テレビ」の残機数:約6〜8千万台
この約6〜8千万台が、2011年8月に「何も映らないハコ」になる。
甲:リサイクル
- 中古市場:一気に供給されても、国内海外とも、そこまで需要は無い。
- 部品化:CRTのテレビは、新興国では結構需要がある。
乙:「テレビ」として使い続けてもらう
- 「安価な地デジチューナー」が普及すれば、一定数が稼働し続けると思われるが、今のところ入手性が高く無い*1。また、放送が16:9前提に切り替わる以上、それを4:3画面で見続けるのは残念感が漂う。
丙:「放送」が映らないなら、「他のもの」を映せばイイヂャナイ。
wii チャンネル、wii connect24、バーチャル・コンソール、wii Fit。
Wiiのテーマは「家族の誰からも嫌われないキカイ」「毎日スイッチを入れてもらえるキカイ」だ。PS3やXboxに比べて圧倒的に静かであり、場所をとらない大きさであり、存在感の薄い色であり、見苦しく邪魔なケーブルも無く、待機電力は豆電球一個ぶんであり、そしてなにより、ハイビジョン非対応。SD画面が前提だ。
光ファイバーなり地域Wimaxなりを経由して、ここに直接「放送を送り込む」というのはどうか。16:9の横長テレビで4:3放送を見ると、往々にして「以前のほうが画質が良かった」という事がありがちだが、旧来のテレビにWiiを繋ぐ限り、これが発生する事は考えにくい。
現行の地上波無料放送に「ヒケをとらない内容を流しっぱなし」となると相当に難しいが、幅の広がったゲームやネット接続と合わせて「大枚払ってフルスペック・ハイビジョン買うよりは、今あるテレビにWii繋いだ方がいろいろできるじゃん」というレベルの「放送」を持たせる事は、カンタンではないにせよ、できぬ話でもないような?*2。
どのみち地上波無料放送はスカスカになってゆく。CMが集まらないからだ。余裕のある人は有料放送を契約し、そうでない人は懐具合に応じて様々な選択肢に別れてゆく。極端な話、ゲーム機やケータイ向けのストリーミングしか見ないとなると、NHK受信料すら節約できる。
目線を国内に限れば、確かに日本は世界で一番「ハイビジョン」が普及した国だ。だがハイビジョンを持って無い人は世界にはたくさんある。ISDBにもB-CASにも国ごとに違う放送規格にも縛られず、かつ、ブラジルやロシアやインドや中国でも広く普及が見込める「コンテンツの蛇口」を考えるに、最有力なのはPS3でもXboxでもApple製品でもなく、Wii/DSであるように思う。
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- 『当社の売り上げは予想以上に増えたかもしれませんが、ビデオゲームをしたことがない人はまだたくさんいます。〜〜岩田聡(2008)』
- 『テレビっちゅうのは怖い機械ですね。毎日なんてことなしにスイッチ入れますから。絶対にテレビゲームは毎日スイッチ入れないでしょう。この差はすごいですよ〜〜上村雅之』
- 『テレビで見たくもない番組に対応するにはどうしたらいいか。テレビをゲームに使えばよい〜〜ラルフ・ベア(1966)』