円高のメリット

もう向こう2、3年、下手したら5年は1ドル90円台。しかもアメリカだけでなく、EUの経済もかなり厳しい。

日本はここで、輸出立国から、円高で儲ける体質に変わらないといけないような気がします。日本の不況も厳しいですが、先進国中では一番ましになりそう(これでも!)なので、そういう構造転換、やろうと思えばできるのではないでしょうか。

原因はなんであれ、相対的に日本の立場(つか、相場か)が上がったわけで...ここで「世界一の債券大国」の立場を使って取り立てを厳しくするとか、なんか鬼畜な事しか思い浮かばないけど。

円高メリットを書いても、今、日本の財界や経済界で力を持っている人たちには他人事なのだが、円高デメリットは自分のこと、という企業が日本を引っ張っており、読者にしてもそういう企業に勤務していたり、付き合いがある人も多い。

それでなくても、「加工貿易立国」は持続を期し難い。経済のメジャーリーグが、G7の7億人から、G20の40億に急拡大したからだ。

  1. 安い資源を輸入して ← コストアップ。資源高騰は避け難い。
  2. 高度な加工を施して ← 固定費固定。労働コスト(技能工や開発技術者)は下がらない。
  3. 輸出で儲けて喰ってゆく ← 売値を下げねばフェラーリ化。BRiCSの一人アタマGDPは、2050でもG7のそれを下回る。

要は円高はトドメだトドメ。ここまで簡単でもないだろうが、円高対策で輸出企業を支援してもその場凌ぎにしかならない。新興国との価格競争が不変だからだ。移民や研修生をこき使ったって、在日日本人の暮らし向きはうわ向かない。ハイテクなど大根に過ぎない。問題はおでんの売値*1だ。明治以来の輸出偏重(モノツクリ・モノカルチュア)な産業構成は、少し再編成せな持たんのではにゃいか。

円高維持で資源調達の優位をキープしつつ、内需で喰ってく新ジャンル。これをもう一本の柱にする。みたいな*2。てゆうか....内需拡大の事だよなコレ。

あんまり分かりやすくない。これだーっ!てゆう、イメージが涌いてこない。『一個日本人是虫、一群日本人是龍』な日本人としては、「暗黙の共通認識」になるような象徴が欲しいところ。

野村証券・チーフストラテジストの岩澤誠一郎氏はリポート中で「円安メリット銘柄の抽出は比較的容易だが*3円高メリット銘柄の抽出は円高でコストメリットを受ける経路が複雑なケースや、価格戦略への影響まで考慮しなければならないので簡単ではない」としながらも「素原材料の多くを輸入に依存する日本では、円高の恩恵を受ける企業は潜在的に少なくないはずだ」と指摘。仮に円高が一段と進行した場合、円高メリット株を探す動きが活発化しそうだ。

つまり鳥目ではナニが「来る」やらわかりゃせんと。んじゃ『一群日本人是龍』の『一群』を小分けパックにしたらどうか?ポッキーだって昨今は箱の中に4袋くらい入ってる事だし*4

例えば、経済政策の権限を地方に移譲する。すごいイキオイで移譲する。もう「廃県置藩」くらいの勢いで小分けする。んで「一藩一産業運動」みたくする。みたいな。

EUのやうに大手との取引に頼らぬ元気な中小を増やす」とか「米国のやうにベンチャーでエンゼルがインキュベイターで自己責任する」てのは、分かりやすくてかっちょいいけど、馴染むかという疑問を禁じ得ない。ただの攘夷という気もするけども。

ところで。

なんで政治家は、こういう時に、国民の皆様、株を始めるチャンスですよ、と呼びかけないんでしょうね。メディアでも、「今が株を買うチャンスだ!」と言っているのは森永卓郎くらいのものでしょう。他に誰かいましたっけ? 経済評論家がこの体たらくだから、日本のマーケットはいつまで経っても個人のものにならないんですよ。

そりゃまぁ。落ちるとこまで落ちりゃあ、後は登るだけだからなあ。

*1:ゲンミツには価格とユーザーエクスペリエンス(おいしいとか店構えが良いとか老舗であるというブランドとか)のバランス。短く言うとコストパフォーマンス。平たく言うと「このお値段でこのお味!」

*2:ここでふとガラパゴスケータイが理想解にも見えてくるけど、キャリア主導のままではミニテルの二の舞にならんかと思ってます。あれは総務vs.経産ちゅう省庁編成が、新手の産業を扱ったり、産業構造の再編成を扱うに不向きてのもあると思ってます。

*3:つまり円安メリットは「暗黙の共通認識」になりやすく、『一群日本人是龍』を形成しやすい。

*4:あれ、どうせなら全部違う味にしてもらえると嬉しい。極細とメンズとデザートとか。あと昨今チョコ無しの素ポッキーが見当たらないのは残念だ。オールドファッションが切れてるミスド並に残念だ。かむばっく素ポッキー。素ポッキーかむばっく(以下256回繰り返し)。