北米市場に於ける薄型TVの値引き攻勢について。

【ニューヨーク=小高航】先週末に最初のピークを迎えた米年末商戦で、日本の電機大手が薄型テレビの大幅値引きに踏み切った。平均で2—3割、モデルによっては700ドル(約6万5000円)の値引きもあり、800ドル台の50型プラズマテレビも登場した。大胆な値引きで商戦は順調な滑り出しを見せたが、後半には客足が鈍る懸念もある。価格競争がさらに激化すれば、各社の業績の下振れリスクが強まりそうだ。
 多くの店が黒字に転換するため「ブラックフライデー」と呼ばれる11月最後の金曜日。家電量販店では韓国メーカーなどと比べても日本勢の値引き攻勢が目立った。
[2008年12月5日]

  1. この勢いで下がると、ハイテクに突っ込んだ資金の回収がキツい。
    1. 部品として海外に売る
    2. 中韓がより安い製品を作る。
    3. 値下げで対抗。
  2. しかし、全価格帯で中韓のほうがコストパフォーマンスが良いという状況。
    1. 絶対価格が安い。
    2. 性能は、最低でもちょっと前の日本製と同等。
  3. シェアはコストパフォーマンスの良い者に集まる。
    1. シェアが高いほど、値下げの出血に耐えられる。
    2. シェアが高いほど、生産コストを下げられる。
    3. シェアが高いほど、下請けイジメがやりやすい
    4. シェアが高いほど、開発投資に余裕がある。

自分の知る限りこのサイクルは、何年も前から回っている。亀山パネルなどで要素部品の「秘伝のタレ化」を試みる頃には、既にかなりのシェアを喰われ、諸国の技術レベルは相当に上がっていたと記憶している(ソニーサムスンと合弁で液晶パネルを生産する程度)。Xbox360の試遊台がサムスンだったのを見たときゃ、こらあかん!と思ったのだが。
余力のあるウチにこのサイクルを抜け出す手を打たないとまずいんでないかと。どのみちデジタル・デバイスは、部品買って来て組み立てりゃ格好がつくものだ。シャア様も、たたかいとは、つねに二手、三手先を以下略。

2008年第3四半期のテレビの世界市場、売り上げシェア(米DisplaySearch)

順位 メーカー Q2‘08シェア Q3‘08シェア Q/Q比 前年同期比
1 サムスン 22.6% 22.5% 7.0% 36.0%
2 ソニー 12.4% 13.3% 15.0% 26.0%
3 LGエレ 11.4% 10.9% 2.0% 27.0%
4 松下 8.3% 8.6% 11.0% 33.0%
5 シャープ 6.7% 8.0% 28.0% 4.0%
6 その他 38.6% 36.7% 1.0% -10.0%
メーカー Q2‘08シェア Q3‘08シェア
パナソニーック 20.7% 21.9%
パナソニーップ 27.4% 29.9%

合併すりゃこの数字が得られるってほど単純ではないだろうが、たたかいは数だよ兄貴ぃ!
....それとも「ビグザム量産の暁にわっ」と散る方がお好みか?おれは好みです。やべぇ。