伝播回路が圧倒的だとわりと禄なことにならない。

それを変えるには、破壊的な構造改革が必要になる。それが果たして、できるのだろうか。

  1. 無料放送に玉座を降りて頂く。
  2. 代わって、多ch&安価な有料放送に代行頂く。
  3. 埋め草番組需要が上がる。

これにより「流し手市場」が「作り手市場」に変わる。基本は「シチョーリツが全てです!」から「繰り返し、何度も見られるのが良いサクヒン」へ。ドキュメンタリー類は、ヒストリーチャンネルディスカバリーチャンネルなどのモデルがある。デイリーニュースは、専門の製作会社が3〜4社あれば充分。これはこれで固有の問題があるのだけど、現状よりはマシになる。

当然ながら、認定放送持株会社をつくろうが、Webやケータイに進出しようが、人口の減ってゆく国内市場のみではじり貧あるのみだ。このさき日本の番組生成機能がきのこるには、ミニマムでも「東亜で売れる番組作り」だろう。もちろんmax値は「世界で売れる番組作り」だ。

そこを目指すなら、日本の放送業界には、大規模な手術が避け難い。雑駁には、以下のような線になると思う。

  1. 放送と製制作の分離。
    1. 放送事業者による番組製制作の禁止。
      1. 特に認定放送持株会社の製制作会社への出資禁止。
    2. 持ち込み企画への制作費補助のみ可。
    3. 上記に沿った線でのNHK分割民営化。
      1. 特に、民間会社への出資禁止。
      2. NHKエンタープライズ:完全民営化。優れた製制作機能をここに集約する。イニシャルの資金は株式上場で賄う。必要に応じてニュース、スポーツ、教育、その他に再分割する。
      3. NHK技研は、分割して民間に払い下げる。
      4. 放送文化研究所は、大学法人化。放送文化の研究、放送人の教育・育成・研鑽機関とする。ユニバーシティではなくカレッジなので、既存大学への払い下げも可。
      5. 本体は、JR的に地域分割の上、NPO法人化。受信料は、送信設備の保全ライフラインのメンテナンス)、および、番組放送権の購入費に当てる。政府公報、選挙公報を放送する際は、これまで通り政府が対価を支払う。あらたに、教育番組を放送する際は文部科学省助成金を出す。
  2. CATVの営業区域規制の緩和。

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すくなくとも。世界で売れたアニメの作り手がグダグダに貧しかったり、アナログ時代の残滓(ハイビジョンとインターレース)をデジタルテレビにねじ込んだり、「NHKフリー」なTVが市場にないのに「テレビを買う買わないは視聴者の自由であり、あえてテレビを買ったという点で契約の自由には抵触しないと考えている」と言ってみたり、こういう事情を生むシカケは、「ただしく」ない。
////関連:

P17:映画配給会社、テレビ放送局などのコンテンツ流通部門が寡占的傾向にある中で、コンテンツの制作事業者は、制作資金調達、マーケティ ング等において流通事業者に大きく依存せざるを得ない状況にある。このため、コンテンツ産業では付加価値の多くを流通事業者が取得する構造にあり、コンテ ンツ自体の価値を創造する生産部門が必ずしも成果に応じたリターンを得られていない状況にある。
P19:我が国番組のほとんどは資金提供者が権利を確保することが多く、製作会社による二次利用の機会が有効に活用されていない状況。一部少数の二次利用展開の成功モデルのほとんどは、製作会社が権利を管理するパターン(例「ドラえもん」「ポケットモンスター」)