ハーフデコード?

地デジ映像の処理がハーフデコードとなるため、左右にゆっくりとスクロールするような映像では、フォーカスが甘くなることがあるとしている。

ハーフデコード機の場合、横解像度が1440なら720、 1920なら960に表示される。1366なパネルのテレビでも違いがわかる。

地デジの放送規格

地デジ 放送波の解像度規格 素数(万)
ワンセグ 320 240 7.7
480i(DVD並み) 720 480 34.5
480p 720 480 34.5
× 720p 1280 720 92.1
1080i(4:3) 1440 1080 155.5
1080i(16:9) 1920 1080 207.3

実際にテレビ局から放送される解像度は、局や番組によって異なる。続きもののアニメでも、一回だけ違ったりする事もあるようだ。
×のついた720pとワンセグ以外なら、どれで放送しても良いらしいが、地デジでは最大でも1080i(4:3) の1440×1080で放送される事が多く、16:9いっぱいに表示される番組は、テレビが横に引き延ばしてくれている。らしい。
なおiとpの違いはインターレースプログレッシブ。
インターレースは、毎秒60枚。時間軸画質*1に勝る。その反面、一枚一枚は映像をスダレ状に切り刻んで半分だけ送信するため、空間軸画質*2に劣る。基本的にはアナログの残滓であり、原理的にブラウン管以外の全ての表示デバイスに向いてない*3
プログレッシブは、毎秒30枚。空間軸画質*4に勝る。その反面、時間軸画質*5で劣る。ただし映画は毎秒24枚。
どちらが「画質が良い」か?の判断は、趣味志向職業(飯のタネ)で多いに異なるのだが、日本の地デジは720pを認めていないのが特徴だ

ハーフデコードの場合

地デジ 放送波の解像度規格 素数(万)
ワンセグ - - -
480i(DVD並み) 360 480 17.2
480p 360 480 17.2
× 720p 640 720 46.0
1080i(4:3) 720 1080 77.7
1080i(16:9) 960 1080 103.6

ハーフデコード機の場合、横解像度を半分だけ「省略」して画面に表示する。安くするために画質を落としている、という事だろう。4:3のブラウン管テレビは、デジタルっぽく言うと横640x縦480相当なので、番組が720p以上で放送されているケースでは、そもそも受信した画質そのまま表示する能力が無い。
480i番組を自動検出してフルデコードするシカケが無い場合、空間軸画質はアナログ放送を下回り、黎明期のデジカメ並になると思われる。

1080i(4:3) の画素数比較
480i(DVD並み)フルデコード 720 480 34.5
1080i(4:3)フルデコード 1440 1080 155.5
1080i(4:3)ハーフデコード 720 1080 77.7
× 720pフルデコード 1280 720 92.1

最も多いと思われる1080i(4:3) をハーフデコードした場合、画素数はほぼ720p並になる。BSデジタルは720pで放送しても良いのだが、地デジではこの解像度は許されていない。

もし総務省が早期の5000円チューナー発売を望むなら、地デジの放送規格に720pを加え、この解像度を中心とするよう放送業界を指導してはどうか?そのほうが地方局の地デジ投資も安く済むのではないか?

*1:勝手な造語:動きの滑らかさ

*2:勝手な造語:一時停止した時の精細感

*3:受信→デコードの後に「インターレース解除処理」というものが必要になる

*4:勝手な造語:一時停止した時の精細感

*5:勝手な造語:動きの滑らかさ