二重政府

議院内閣制はタテマエ。ホンネは官僚内閣制。だとする。

  1. 「中央省庁は政党だ!」と考える。
  2. 各党は、生業分野別の、ニッチでシャープな専門政党。
  3. 日本政府は、それらの「連立政権」と考える。

例:「経済産業党」

ホンネ(官僚内閣制) タテマエ(議院内閣制)
連立政権の閣議 事務次官会議@首相官邸
党首 事務次官
政策調査会 局長会議
政策調査会の分科会 各局各課
「ジバン」

ジバン構成員
大企業、ケイレツ、株式の持ち合い。

経産ジバンの「民意」は、下から上に上がってゆく。ただし、この「民意」は、ちょっとニッチ。
  1. 企業の従業員≒「終身雇用者」の「民意」。
  2. 「ケイレツ」の従業員≒「終身雇用者」の「民意」。
  3. 「株式の持ち合い」を支える層の「民意」。

※国民の圧倒的大多数がこの範囲内にあれば、そう「非民主的」ではない。

ピンクの部分は、「天下り」を介した「情報連結」で結合。この結合は;
  1. 自民党内部の「議員とジバン」よりも、専門性が高い。
  2. 自民党内部の「議員とジバン」よりも、密度が濃い。
  3. 自民党内部の「議員とジバン」よりも、妥当性の高い結論を出す。

※経産に限らず、国内の中央官庁は、その職掌範囲に関する限り、「妥当性と、当事者の納得度が高い政策」を立案する上では、国内のどの政党も敵わないと思われる。なんかこう書くと、「上級公務員の政治任用なんかしたら、日本はめちゃくちゃになるぞ!」って気がしてこない事もない。

本来の議院内閣制では、
  • ジバン(党員)→ 党組織 → 党議拘束 → 議決 → 行政を拘束

となるべきだが、日本の政党は、相対的に、「千差万別な民意を調整して、具体的な政策に精錬する機能」が弱い。「政策の優劣」で「官庁党」に勝てないから、「事実上、行政権が立法権に優越している」のではにゃいか。

■問題点

  1. 競争が無い。
    1. タテマエは行政機関だから、そんなものが二つあっちゃ困る。
    2. しかし、政策でしくじっても、選手交代というルールそのものがない。
    3. つまり選挙だが、それ以前に「ベンチ」も「控え選手」もない。
  2. 行政が立法に優越している。
    1. 本来の議院内閣制は、議会が行政府の上に立つという形で一体化しているものなので、一体化じたいは、そうビッグな問題でもない。
    2. しかし、このシカケは、行政府が、民意収集力、ならびに政策立案能力において、立法府に優越している。
    3. タテマエでは、人事権は大臣にあるけど、それ画餅。組織は肩書きよりキーマン(実力者)で動く。

これは、事実上の「テクノクラート・コントロール(文官統制)」であり、「デモクラシー(民主制)」とは言えない。