自民のソコヂカラ

ぬお、じみんめ、えらくフットワークがいいな!

■090613:プロレスラー三沢光晴さん。試合中の事故で亡くなられる。
■090618:
1)自民党の文部科学部会と文教制度調査会が合同会議を開く。

  • 発起人:
    • 渡海紀三朗文教制度調査会会長
    • 馳浩文部科学部会部会長(元プロレスラー)
  • 内容:
    • 今後のプロレス競技のあり方を考えたい。
    • ついてはプロレス団体の人と意見交換をしたい。
  • 台詞:
    • 「プロレスという競技の位置づけを考えなくてはならない」-文部科学部会メンバーの松浪健四郎
    • 「格闘技の興行における事故死についての見解を聞きたい」-馳氏
    • 「コミッションの統一やライセンス制度、日本プロスポーツ協会(JPSA)への再加盟を強制ではないが、提案したい」-馳氏

2)プロレス3大メジャー団体の幹部を呼び、事情聴取の予定。

  • メンバー
    • ノアの仲田龍取締役統括部長
    • 新日本の菅林直樹社長、三沢威メディカルトレーナー
    • 全日本の武藤敬司社長、内田雅之取締役
  • 台詞:
    • 「(プロレス界統一は)当然考えなければならないこと。当事者でもあり参加はいたします。ただ、今回の意図がよく分からない面もある」-仲田氏。
    • 一体何を聞かれるのか分かんねぇけど、聞かれたことにそのまま答えるしかねぇよ」-武藤氏(URI)。

プロレスよく知らないけど武藤さんステキw。
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■なんだなんだ?また規制利権の拡大狙いか?と取れば取れるのだけど、別のベクトルもありそうな希ガス
飛びますよ。話が。1.2は平素の焼き直しで、本題は3以降。
1)
日本の政治構造は、タテマエとホンネに分かれている:

  • タテマエ:国会の議決  ← 党議拘束 ← 党組織 ← ジバン(党員)
  • ホンネ:中央省庁←業界団体←大企業/大組織←従業員(終身雇用/ケイレツ)

高度成長(おいつきおいこせ)をやるには「ホンネ」のほうが、都合がよい。専門的で、緻密な政策が出せる。ついでに手前ぇらですり合わせた政策を手前ぇらで実行するわけだから、納得度も高い。納得度の高さは速度と規律を生む。スピードは武器だ。規律は武器だ。『一個日本人是虫 一群日本人是龍』だ。

2)
自民党、というか55年体制は、この2系統の民意集約ルートを、接ぎ木したもの。いわば「政治構造の高度成長シフト」
中央省庁は、「事実上の*1政党」事務次官会議が、「事実上の*2連立内閣」

タテマエ・ライン 内閣を拘束 国会の議決 党議拘束 自民党政策調査会 議員 ジバン(党員)

対立/協調
ホンネ・ライン 内閣/大臣を統御 事務次官会議 中央省庁 業界団体←大企業/大組織 終身雇用
ケイレツ
モチアイ
この2系統に選挙を乗せると、だいたい「オールジャパンで民意のすり合わせ」て感じになるような希ガス。いやもちろん完全は無いけど。書くたびに感心するオレ。よくできてんなー。

  • 「←」は民意、意図、意向、、、、情報の流れ。各階層で整理され、説得力を増し、最終的に具体的な政策や法案に精錬される。
  • 地元利権の誘導器
  • 族議員の育成器
    • 官僚自らが族議員を育成し、地元利権と引き換えに、自党(所属官庁)のジバンを利する政策を通す*3
    • 民主党が大規模な「上級公務員の政治任用」を行ったとしても、オレンジ部に匹敵する「民意の収集・吟味機構」を持たない限り、実効性は限られる。日本の官僚機構の情報収集・吟味能力は、日本一だから*4
  • 天下りによる情報連結
    • 国内のほとんどの「生業」が、なんらかの「業界団体」に属している場合、オレンジ部がもっとも専門的で、緻密な政策を出せる。
    • この政策立案能力を背景に、議員や大臣を「洗脳」できる。実際優秀*5
    • ただし、イノベーティブな新業種や辺縁系の業種は、ちょっと。よくて出る杭あつかい*6
  • 対立、ないし協調
    • 「経産党のジバン」と「自民のジバン」は対立気味。
    • 「農水党のジバン」、すなわち「農協類」と、「自民のジバン」は協調的。たぶん。
  • 中央省庁の連立内閣
  • 文官統制(テクノクラート・コントロール
    • オレンジ部の政策立案能力を背景に、「議員内閣制」に対して優位に立てる。実際優秀。
    • テクノクラートってすげぇ、代わりの効かない職種だし、やっぱ優秀でないと勤まらないんだが
    • しかしそうゆう人らでも、しくじる事はある。にんげんだもの
    • 問題は、しくじっても、選手交代のシカケがない。ベンチも控えもない事。
    • 正直、官僚たたいてどうなるもんではないように思う。この表ぜんぶが芋づる式なわけだし。
    • つまり、構造問題
  • 野党は、このシカケの外側。「地元でもなく終身雇用でもなくケイレツにも株の持ち合いにも属さない利害*8」を代表し、「国対政治」で譲歩を勝ち取る。

と、ここまでが、たぶん、55年体制。16年前に崩れた。はず。現状は崩落が続いてて、「次のシカケ」をめぐって戦国状態。だと思うのだけど、鳥瞰図かけません。室町幕府でいうと、まだラストより2〜3代前てとこかも知れないし。

脱線)
憲法とか民主主義とか、正しいとか正しくないとかは、置いとく。
中国人の言う『一個日本人是虫 一群日本人是龍』に納得してしまったオイラとしては、この手のネタは、竹林の成長記録、とか、その手の群体生物の記録を読むつもりでいるような希ガス。たぶん、そのほうが、楽しい。おれがw。
特に「民主主義」って、「デモクラシー(政治制度の一種)」とゆうより、なにかのイデオロギーっぽい印象もあるし、、、イズムやイデオロギーで粘菌の行動は理解できない。
そーささやくのよ。あたしの中の南方熊楠さんぐゎっ*9

大脱線)
でもまぁ、行政機関とロビー団体と終身雇用とケイレツと株式の持ち合いが大合体して、事実上立法府に対して優位に立ち、選手交代のシカケがない上に憲法上の規定もないというのは、ちょっと立憲国家とは言いにくい。とは思う、、、そこでヒラメいたのだが、憲法停止というのはどうか?w。それで論理的一貫性はキープできるし、「護憲派」も「デモ暮らし」も「メディアザウルス」も、みんなみんな「自分のコトバ」で語りだすぞい。大政奉還ぢゃw万機公論に決すべしぢゃw*10

3)
1993年の細川内閣で、自民党は結成後初めて与党の座を失った。つまり、16年も前に、大多数が「高度成長シフトぢゃダメだ!」と気づいたって事だと思うんだけど、これは「タテマエ・ライン」と「ホンネ・ライン」の分断を意味する。
「ホンネ・ライン」の民意収集・分析能力抜きで、非自民・非共産というだけで成立した連立政権が巧く回ったのかどうかは、ちょっと疑問だ。選挙以外に恒常的に民意を収集できる「ジバン」、そして集めた情報を吟味する「シンクタンク」がなければ、議員さんは「マスコミ受け」を優先する。その一方で、「ホンネ・ライン」の民意収集・分析能力に感心し、彼らの言うことに納得を深めゆく日々、、、だったのジャマイカ

4)
ここでバラけてしまった「政治構造の高度成長シフト」は、低成長時代向けに「リストラクチャリング」しなくちゃイケナイんだけど、「目指すべきビジョンはここだ!」みたいのは、たぶんまだ誰にも見えてない。16年ずっと生みの苦しみとゆうか、試行錯誤というか、戦国時代とゆうか、そんな感じでいるのだと思う。

08Q2ダビ10紛争がグチョグチョになったのは、日本の政治意志決定構造そのものがグチョグチョになってるって事でもあると思う。「官僚党の連立内閣」でもまとめきれない話が出てきたっていうか、、、スイスよりよい時計、ドイツよりよいカメラ、アメリカよりよい車、、、「XXより良いXX」さえ作れりゃ行ける!って、だれもが思えた時代はとっくの父さんだから、まとまらないのが当たり前なんだけども。

そうゆう時代に適合した決定プロセスが、まだ。一応コピワンB-CASも「民間が決めた」ことになってるけど、「民間の決定プロセス」も、まだ。んで揉めたもんを、55年体制下の「ホンネ・ライン」で収拾つけようとしても、、、『古流ぢゃ所詮、無理無理*11』。とっとと法廷行ったほうが早い。法廷行くより「無料で録画される回路」からエクソダスしたほうが早い。

一応、アニオタ、ゲーオタ、まんがオタの端くれとして、これからはサクヒンビジネスだ!*12とは思っちゃいるけど、すべての在日日本人がそれを「正しい」と納得すべきだとは思ってない。みんなすきな事をすきなようにやるのが一番たのしいのだし。

ただし。日本の産業構造は、もうちょっと「ものつくり・モノカルチュア」より分散的であるべきで*13、そのためには、車屋さんと家電屋さんの政治力が、必要以上に強いかなとは思う*14。もはや「となりのクルマが小さく見えます」でココロまで豊かになれた時代では、ないのだし*15

5)
他方。てゆうか、ようやく。話が自民党に戻る*16。16年前に「ホンネ・ライン」と分断された自民党は、政権奪回に注力する中で、「タテマエ・ライン」の「ホンネ化」にも着手したはずだ。
政権奪還後は、「ホンネ・ライン」の情報収集・分析能力に頼りつつも、頼りきりになってない。目立つのは、「高度成長シフト」の外側にいた公明と組んだ事だが、「かつてない民意収集ルートの開拓」、ひいては「新型ジバンの開拓」に、もっとも熱心な政党ぢゃなかろかと思う。

てゆうか自分ならそうする。だって一番見えてるはずだから。高度成長で後回しにしてきたタテマエに、電流通すチャンスだから。

6)
プロレスよく知らないけど、格闘技には栄えてほしいw。そして僭越ながら三沢さんのご冥福を。

*1:関係ないけどVirtual=事実上の

*2:関係ないけどVirtual=事実上の

*3:たとえば、「かんぽの宿」。あれは地元の建設業にお金を落とし、ドル箱の飲食を地元に「委託」し、元郵便局長らを「支配人」に受け入れる。そのために簡易保険加入者のおかねを2000億使って。んで、赤字。

*4:かんぽの宿」売却の不正は追求されべきだが、主な情報源が「官僚のリーク」というのは、、、自前の裏取り機関を持つ共産がおとなしいのが気になりマンモス。

*5:ほんとう。ほんとう。うらやましい。

*6:いやぁ、草食系って陰湿で容赦なくて加減知らないもんだよねー

*7:ちょっと自分でぐぐって自分でびびった。

*8:「層」というとやや属人的になる。基本的にはそうなんだけど(w)、公害とかの「非生業」にかかる問題、消費者とか生活者全般にかかる問題も伝統的に得意技にしてるし。護憲論も〜俺は感心しないが〜なくて良いと言うものではない。てゆうかなきゃ困る。

*9:名前しか知りませんがw

*10:いやオレ、天皇制ってヴィクトリノックスの次に便利だと思うんだけど。→ 続・あたらしい著作権のはなし - 2007/01/15 ageha was here

*11:関係ないけど自分のモットーは、「イサコ様に踏まれるよりも、ブスエの尻に敷かれたい。」です。だいじなことなので二度いいます。以下同文。

*12:口が裂けてもコンテンツいうな。それわ配管工の使うコトバだ。と、その筋の方には申し上げたひ。

*13:信用創造で膨れ上がった米消費者のクレカ頼みで、高付加価値、ハイテク、高級品に突貫し、サムスン品質に満足できない富裕層、とか狙っても、「G20中流」を掻っ攫われたら「フェラーリ」になるしかないわけで、、、まぁその前に「米国発金融危機」でアレなわけだが、、景気回復後の「消費者」は、「かつてない堅実さ」を身に着けている事必定なわけで。「ハイテクハイテク日本はやっぱりものつくり教」は、日本経済の未来を蝕むがん細胞だと思ってる。

*14:外車を締め出すエコカー減税も、デカくて消費電力多いTVほどたくさんもらえるエコポイントも、貧救策だと思う。おもにオツムの貧しいタイプ救う。

*15:さて。どのパラメータをいじれば「オリジナルへの忠実度」があがるんだ?どんなツールを足せば、ハイ・フィディリティ・プロファイルができるんだ?

*16:良かった。あやうく戻ってこれなくなるとこだった。