5000円チューナー

  • 低価格地デジチューナーは1万円前後の製品が多い。待っていれば5000円で買えるようになると思っている人もいるかもしれないが、それは難しいようだ。
  • 各メーカーともコスト削減を進めているが、もう大幅に削減できる部分は少ない。今後も低価格化はある程度進みそうだが、5000円地デジチューナーの実現は、国や自治体など何らかの補助がなければ難しい。つまり今購入しても、2年後に購入しても価格はあまり変わらないことが予想される。今買ってもあまり損はないだろう。

いや日経系の中でも特に「買え買え光線」を発するトレンディだから仕方がないが、そこで躊躇うくらいなら国や自治体の補助が出るのを待つだろう。
日本はG7中で最も有料放送の世帯普及率が低い。さらに我々は世界有数のテレビッ子でもある。

(*日本人は*)「余暇の過ごし方」では、余暇時間の47%を「テレビを見る」ことで費やしている。(*OECD加盟30カ国中で*)「テレビを見る時間」の割合は、メキシコに次いで多い。

したがって、全世帯の遅滞なき地デジ移行の為には、安価なチューナーはToDoリストの筆頭にあるべきものだ

英米のチューナー価格帯

英国
  • 08/10/14-朝日朝刊 - 進むテレビ 欧州の現場から1-「英国」地デジ移行、地域が支援
  • 72歳のジョイス・ライトさんは独り暮らし。足が悪く、テレビはラジオとともに貴重な情報源だ。3年半前、60ポンド(約1万2千円)で簡易デジタルチューナーを購入した。
  • ライトさんが買ったような簡易チューナーの値段は、今では3分の1程度まで下がったものの、低所得者らには負担が大きい。

05Q2時点で約1万2千円、08Q4時点で約4000円。なお、英国の地デジはDVD相当の模様。

米国
  • 2008年1月1日から2009年3月31日まで、米国の全世帯は40ドル割引クーポンを2枚まで申請できる。
  • 価格比較サイトなどによると、この種のチューナーボックスは80ドルからの価格で売られている。

07Q1時点で1万弱。

  • 08/12/26-WSJ 米一部地域で地デジ完全移行、数百世帯で「テレビが真っ暗」に?(itmedia, EXPIRED)

政府が配布した40ドルのクーポンのうち、これまでに約1700万枚がコンバータと引き替えられた。コンバータは40〜60ドル程度で、アナログテレビでデジタル信号を受信できるようにする。

08Q4まぁだいたい5000円。ちなみにFCCでは、コンバータの商品名、メーカー、機能の一覧を公表している。→Digital-to-Analog Converter Box – Selected Features。GEやマグナボックスRCAが生き残ってるところが趣き深い。
もっとも、米では地上波無料放送しか見て無いという家は少ない。

  • Consumer Reportsとアメリカ消費者連合が6月29日に発表した調査によれば、米国家庭のうち39%は地上波放送しか受信できないテレビを少なくとも1台は所有していることが明らかになった。
  • また、CATVや衛星放送を利用できない、アナログ地上波のみの家庭は全体の15%だという。

ちょっと資料が出てこないが、EUの有料放送普及率も結構高かった筈だ。

日本の状況

  • 総務相 諮問機関の情報通信審議会は2日、地上デジタル放送の普及に向けて行政の果たすべき役割について、総務省に中間答申を行なった。
  • 2年以内に5,000円以下の簡易チューナを入手できる環境を整えることが望まれる」と提言している。

09Q3現在、丁度2年が経過している。

  • 「廉価版でも2万円を切る程度が精一杯。端子などをぎりぎりまで減らしても、1万円を切るのも難しい。5000円のチューナー開発はまったく見えない」
  • 「市販価格を考えると難しい上、メーカーの立場からも、できる・できないは言いにくい」
  • 「買い控えはすでに起き始めている。5000円チューナーの実現が見えているのなら構わないが、それが見えていない状況で買い控えが起きてしまうと、消費者は実現しない5000円チューナーを待ち続けることになり、地デジチューナーの普及にも水を差す。メーカーとしても、消費者が買いやすいものを出したいとは考えているのだが……」

メーカーの立場としても、技術のプロとしても「できます」とも「できません」とも大っぴらに云えないのは分かるが、心意気としては「やってやるぜ!」でいて欲しいところではある。

販売価格5000円のものに、原価2000円もかかるクソ部品が必要なんだから、ふつーどうがんばたって無理だわな(笑)

おそらくこの「クソ部品」がB-CASカード関連を指すと思われる。他に、確かMPEG2のライセンスフィーが2000円くらいあったような気がするんで*1、自分もこの時点では「無理かな?」と思っていたのだけど、、、。

これまで別々の半導体で構成されていた1「フルセグOFDMチャネルデコーダ回路」2画像処理回路を世界で初めて1チップに集積。映像/音声用D/Aコンバータなど周辺回路も集積化し、メモリを統合するなどしてコストを削減した。

ISDB周りと、MPEG2デコーダを合体?おそろしい事だ。おそろしい事だ。

それでも無理と云うのなら。

地デジで「ハイビジョン」を禁止すればいい。各局から使ってない6セグメントを召し上げてオークションに掛けたらいい。それでチューナー購入補助券を配ったらいい。そもそも視聴者が頼んでもいないデジタルテレビにお金を払わねばならないのは、望ましく無い。

それでなくても90年代半ばまで「アナログハイビジョン最強最強最強!」ってバンザイ突撃繰り返してたんだから。お陰で日本の地デジ移行はチョッパヤのケツカッチンだ。NHK技研と旧郵政省官僚は腹を切って以下略べきだw。スーパーハイビジョンとか云ってる場合ぢゃねぇんだよッ!

*1:DVDプレイヤーと勘違いしてる鴨