郵政02)長期的な環境変化


以下、ウラ取り無しのメモ。

1)まず、拠点・物流網を「下部構造」、金融・保険業を「上部構造」とする。
  1. 一般論として、金融・保険業多角化経営(異業種の兼業)を禁じられている多角化でしくじると、預金が目減りしたり、保険金の支払い能力を疑われたりするから。最悪「取り付け騒ぎ」なぞ起きた日には国家経済が大打撃を喰らう。
  2. しかし、山間離島部など、金融・保険業の窓口が遠い人々のために、郵便網を活用するシカケは、世界的に存在する。ただし、上記の原則があるので、それはあくまでも「民業を補完するもの」と思われる(日本でもゆうちょ・かんぽは、民間より上限とかが厳しかったハズ)。
  3. 「日本の郵政の上部構造」が巨大である理由は、「護送船団方式」による民間金融機関の保護・営業区域規制、農地集約化が進まなかった事*1、国際水準から見て異様に高い国民の貯蓄性向、などが考えられる。
  4. 「日本の郵政の下部構造」のうち、特に「郵便局」は、上部構造からの「窓口手数料」に大きく依存している。
2)四事業をとりまく状況

まず、日本が世界最先端をゆく少子高齢化は、以下の結果をもたらす。

  1. 将来的な口座数の減少
  2. コンパクト・シティ化

次に、少子高齢化いがいの「郵政事業全般」をとりまく要素は、概ね先進国共通と思われる。

  1. ただし、もしも数世代のうちに「電子決済」が日常のお買い物から紙幣・貨幣を駆逐してしまうとすれば、日本が一番乗りになる可能性がある。
3)郵政民営化の位置づけ

小泉政権による郵政民営化は、こうした長期的な環境変化に対応してゆくための「最初の一手」。拙速だったか否か、また糺すべき不具合がどの程度*2は、イロイロな立場がありうるが、状況の方は待ってはくれない。と、思われる。

*1:「昼は市役所、週末田んぼ、道ができれば売却益」な第二種兼業農家、および、「第二種あがりの専業農家」が大半。これらは純粋専業農家と平等な減反義務を負い、平等な減反補助金を得られる(過去形か?)。

*2:問題はいつだって「どの程度」だ。