なんとなく、断定するのはまだ早い気がする。

 鳩山由紀夫首相は28日朝、海上自衛隊護衛艦韓国籍のコンテナ船の衝突事故について「責任を明らかにしないといけない。国民の皆さんにご迷惑をかけたと思っている」と記者団に語り、原因究明を急ぐ考えを示した。北沢俊美防衛相も同日午前の記者会見で「海上保安庁の捜査に配慮しながら、早期に(原因を)究明できるよう努めていきたい」と強調。午後に首相に現状を報告する考えを示した。
 防衛相は同日朝、防衛省内で幹部自衛官に「基本的にこの事件の責任は我にあり、という自覚を持っていただきたい」と訓示した。(28日 17:56)

覚悟としては立派だし、そうあって欲しいとは思うが、事故発生直後の段階で言っちゃうのはいささか疑問だ。もちろん綱紀粛正は必要な事だが、交通事故でも一方が100%悪いという事はまず無い。海難事故では違うのだろうか。違わないなら、現場の隊員さんたちに「ロクに調べもせずオマエらが悪いと一方的に責めるトップ」と見られるリスクを侵すべきではない。なにもなぁなぁの温情主義だの間違った友愛精神を発揮しろというのではない。

最も重要なのは、発生状況の分析と、再発防止策の立案および遂行であり、そのためには調査段階での予断混入は避ける必要がある。

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いきなし自衛隊の責任を問う論調が世を覆えば、全面的にカリナスター側に非があるとする主張も、また産まれて来るのが道理だ。

基本的に週刊オブイェクトさんは説得力がダンチなので、思わず同意しそうになったが、やはりまだこの段階で断定の文言を入れるのは早いと思った。

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論理や倫理とはまた別に、社会が受け入れるタイミングというものも存在する。現段階では「断定的な論調への疑義の提示」に留めておくほうが効果的ではないだろうか。まだ検証は始まったばかりの段階なのだ。幸いにも死者は出なかったとはいえ、多くのひとはまだ事故のショックから立ち直っていない...と言って悪ければ、特にホット・ニュースの段階では、ニンゲンは、好みの結論に飛びつきがちなものだ。

ここで責任論争が起きると、「実のある再発防止策」より「火病」に目を奪われてしまう。そいつはあんまり上手く無い。

そー囁くのよ。オレの中のエバケンさんぐぁ。

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