ツェペリ家の掟に学ぶ
なぜそのように感じるかと云うと、16:9は映画のビスタサイズに合わせた比率だからだ。他の用途は、すがすがしいほど眼中にない。
ヨコ:タテ | 近似値 | 備考 |
- | 1.66 | 映画のヨーロッパ・ビスタ |
5:3 | ≒1.67 | NHK技研が突き止めた、テレビの理想。Nexus One |
8:5 | ≒1.60 | ← 黄金比の近似値。16:10。 |
16:9 | ≒1.78 | 映画のビスタサイズ。 |
- | 1.85 | 映画のアメリカン・ビスタ |
『スマホのアス比』の表中にも書いたが、16:9より8:5、すなわち、16:10の方が黄金比に近い。
実のところ、「映像」ですら、NHK技研が「高品位テレビ」の研究段階で突き止めた理想のアスペクト比は5:3*1。16:9はそれよりさらに横長感が漂うが、「映画など」を考慮した妥協点だ。さらに歴史を遡ると。16:9(1.78)じたいが、「ヨーロッパ・ビスタ(1.66)」と「アメリカン・ビスタ(1.85)」の妥協点だったりもする。仏映画に多かった「ヨーロッパ・ビスタ」は「技研の理想1.67」にそこそこ近い*2。
手許では「妥協」そのものはネガティブには捉えていない。それは「その局面での望み得る最善」の意味に使いたいからだ。駄菓子菓子。16:9というアスペクト比は、映像という用途の範囲ですら妥協に妥協を重ねている。理想は「重ね掛け」で近づけるほど甘く無い*3。
ましてそこで文字を読み書きしたり、絵を描いたり、写真を見る事は、キッパリと意識の外にある。モニタの主用途が「映画」でない場合。16:9は、ヨコに使えば上下が狭く、タテに使えば肩身が狭い。これはタッチ操作や、縦横をくるくるするデバイスでは、よりヘヴィにのしかかって来るだろう。1.78は本物ではない。それでは回転が続かないッ!!
*1:NHK技研 - 日本放送技術発達小史 - ハイビジョンと視覚
*2:縦横(アスペクト)比 - 2006/12/20 ageha was here
*3:リセットが「望み得る最善」な局面も存在する。