書籍出版協会 V.S. 文藝家協会

※知った場所:文藝家協会が出版協会に対して配慮をお願いしている - Copy & Copyright Diary

PDF(ロの1)要約

要望

書籍出版協会(イ)の「出版契約書」モデルを、より著作権者の立場を配慮した方向に改訂して欲しい。

理由

文藝家協会(ロ)には、次のような相談が相次いでいる。

  • 日本の出版界では絶版の定義があいまいなために著作権者が新たな出版の機会を逸するケース
  • 近年増加しつつある実売部数による支払い部数のカウントが不明確であるケース
  • 電子出版になった途端に著作物使用料が激減して著作権者が経済的困窮に陥ったケース
  • 一契約で他の媒体での使用までも全部認めさせようという一括契約の危険性
よーするに。
  1. アマゾンさんは印税70%言うてはるようどすなぁ?て事と思われる。
  2. ただし。
    1. 「モデル契約書」というのは、アパートの契約書と一緒で、編集者も原著作者も、あんなもん誰も読んでないと思う。その便利さは捨て難い。
    2. また、たけくまメモさんの言う「出版責任の代行機能(URI)」も捨て難い。
    3. なので、「今後ともお付き合いさせて頂きたいさかい、ちくっと考えてくれはりまへんか?」て事と思われる。

余談

文科党

手許では「中央省庁は政党の本部」と考えています。文部科学省の場合、下図の全体が一個の「政党」。いわば「文科党」。イ)書籍出版協会も、ロ)文藝家協会も、この裡にある「文科党の支部」と考えています。したがって上記は、「文科党支部うしの利害対立」と捉えています。

行政機構と職域ギルドが「ホントの政党」を介さずに直結、、というより一体化してるのは、ナニと言えばナニなんだけど*2、「なかのひと」にとっては便利だと思います。イロイロとハナシ早いから。「おなじギルドのナカマぢゃないか。結束、友愛、フラタニティ」てカンジで。

これまでであれば。イ)ーロ)間の利害対立は「両団体間の天下りを交えた話し合い」で収まってた。筈。表面化すると、ギルドのフラタニティが崩れるから。したがって対立が表面化する事は稀だった。筈。

→ でも表面化した。ネットの特性「情報の民主化」から出た副作用に過ぎないのか、キンドルアイパッドを前に、いままではソレしかないからガマンしてたけど!てオモイが噴き出してるのか、出版不況で「米騒動前夜」になってるのか、たぶん全部だと思うけど、それぞれの重みまでは不詳。

12ギルド連立政府

コレも、これまでであれば。

  • 文科党のワクを超える問題でも、「党本部」が関連ギルドと「調整」してた。筈。
    • → 日本には下図のように「職分」で仕切られた「ギルド政党」が12個あり、かつては「事務次官会議」が「統一された日本の国家意思」を「はなしあい」で決めていた(aka.官僚内閣制)。
    • しかし、民主政権による事務次官会議の廃止で官僚内閣制は崩壊したので「インターギルド戦争」が政治的に表面化するケースは、今後ふえてゆくと思われる。
    • → 但し、ソレ以前から、ダビ10/私録補償金問題のように、調整に失敗し、法廷に行ったケースが出始めている。

キンドルアイパッドは、経産党にも総務党にも属さない「ガイアツ」。こういう場合、かつての12ギルド連立政府なら、文科党と経産党が光速で協同防衛線を張り、ちょっぱやのケツカッチンで逆襲兵器を開発するとか、してた筈。「おなじニホンのナカマぢゃないか。結束、友愛、フラタニティ」てカンジで。

→ できなくなっている。「はなしあい」では決められないような「インターギルドゼロサム問題」が増えているのか、それを認めたくなくて互いにようすを伺って身動きがとれなくなっているのか、そもそも現行ギルドの切り分け方じたいが時流にあわない既得権益保護バリヤーになっているのか、たぶん全部だと思うけど、それぞれの重みまでは不詳。

*1:関係ないけどここの「日本出版百年史年表」は超面白いです。

*2:例えば、新手のビジネスモデルをやりたい勢力(ex.薬品のネット販売)は「ギルドの敵」。非・終身雇用層は、どこへ行っても「アウトサイダー(=ギルドの友愛精神の対象外。)」など