SIMロックフリー雑感

SIMロックフリー端末の価格

Android 税込 備考
Google Nexus One SIMフリー ¥64,890 FOMASoftBankSIMカードで通話と通信が可能。
Motorola MILESTONE SIMフリー ¥73,290 同上
BlackBerry - -
BlackBerry Bold 9700 SIMフリー ¥62,790 ドコモかソフトバンクSIMカードで使用可能
Palm - -
Palm Pre 3G SIMフリー (QWERTZキーボード) ¥83,790 アクティベートは自己責任。
Apple - -
Apple iPhone 3GS SIMフリー 32GB ブラック 日本語対応版 ¥102,900 FOMASoftBankSIMカードで通話と通信が可能。
NOKIA - -
NOKIA E72 Black SIMフリー ¥62,790 FOMASoftBankSIMカードで通話と通信が可能。
NOKIA N900 SIMフリー 32GB ¥78,540 -

素でSIMロックフリー端末を買うなら、このクラスの価格になると思われる。ワンセグFeliCaの類いを搭載する国産ケータイは、さらに高い可能性がある。仮に、2年縛りの割賦販売で安く買い、その後にSIMロック解除ができるとしても、キャリアがそういう端末のサポートに熱心になれるかと言うと、ちと考え難い。少なくとも優先順位の筆頭ではないだろう。

一方で、キャリアは、10Q2現在でも2年前の端末では使えない新機能をガンガン出してる。だったら、キャリア主導のサービスなど捨ててしまい、googleAppleなど、他の事業構造が主導するサービスに乗った方が良いという考え方もできる。

Appleの場合

iPods

iTunes Store
App Store
iBooks
mobile me
iWorks.com

 
内蔵モニタ
(?)

Appleの場合、「iPod体験の値段」はかなり幅広い。再下端のiPodは約5千円程度から。iPod Touchは2万を切る。若いうちに「ダウンロード購入・ユーザーライブラリの一元管理」を刷り込み、様々な局面に適した「ビュワー」をばらまいて、ソレなしで居られぬカラダにしてしまおうという肚だ。

猊下が、ケータイ進出にあたってAT&TSIMロックを採用した事は、iPhoneトラフィックに耐える設備投資の原資を考慮したと思われる。

鍵はケータイぢゃない。「ユビキタスiPod体験」だ。「bit流通の川上から川下まで」だ。

SONYの場合

PSP

PSN
アクトビラ
mora(touch)
SOS
地デジ(録画)
光学ディスク

(ネトブ系)
(一体型)
(ノート系)

SONYの場合、ユーザーエクスペリエン酢は、バラバラに分断される。PSNで買ったものをWalkmanで楽しむ事はできないし、Win版のmoraで買ったものをXPERIAで楽しむ事もできない。そもそもUIにもカーネルにもDRM体系にも、一環性がない。

XPERIAにはmora touchが組み込まれているが、いまのところWin版のmoraとは連動せず、なにより、XPERIAで買った音楽はどこにもバックアップ先が無い。機種変したらそれまでだ。

「bit流通の川上から川下まで」という点では、統制のとれてない総合商社とゆう感じ。

Sharpの場合

ケータイ(各キャリア)
WM(Willcom W-Zero3系)
Android (au IS01)
Android (JN-DK01)
パピルス(白黒)
※追加コンテンツSD
アクオスブルーレイ
(レコーダ)
※録画&光学ディスク

Space Town ブックス

ブレイン(カラー)
※ブレーン専用書籍サイト
※Win連携

アクオス
(TV)
インターネットアクオス
(デスク系)
メビウス
(ネトブ系)
NetWalker
※NetWalker専用書籍サイト

Sharpの場合、なんかとてつもない事になっている。「bit流通の川上から川下まで」という点では、思いつきで素っ頓狂な方向にばかり用水路を掘ってるように見えるのだけど、それぞれはキッチリお見事とゆう、謎。電子辞書にしてもテレビにしても国産ケータイにしても、個々のブランド内での丁寧さはスゴいものがある。

しかしながら。全体として「シャープの製品」としてのシナジーは出ていない。ブランド単位で別の会社があるようで、さらにブランド内部ですら、自分のデバイスでナニが買えるかは、そのデバイスを買ってみないと判らない。さらにTV録画・光学ディスク系とも分断してんだか録画番組を転送できんだか、カタログサイトをよーく読んでみないと判らない。

に、しても。Android (JN-DK01)にはたまげた。auから開発費ふんだくりですか。デザインコストも頂きですか。スゲェ。社内にデラーズ閣下とか潜んでませんか。気がつくと「ザウルスの園」とかできてませんか。

ガラパゴスの真因はSIMロックだけとは限らない。

いわゆる日本の「ガラパゴス化」と言われるときに、多くの場合がアプリケーションの標準が違うとか、通信方式が独自だとかいう話になるが、実を言うと、周波数の違いというのが根本的なガラパゴス化の要因であることは意外に多く語られていない。これは周波数の専門家が少ないことと、また総務省にも通信事業者も、周波数はいじれないものと半ばあきらめているような風潮があることが影響しているかもしれない。だが、あれだけキャリアの独自性を非難し、ガラパゴス化の元凶はキャリアだと言ってはばからなかった総務省(旧郵政省)自身が、まさに周波数の割り当てでガラパゴスの最初の原因を作っていたという事実は皮肉としか言いようがない。

つまりサービスなどの「上位レイヤー」ではなく「下位レイヤー」にも原因があると言う事らしい。「どの帯域をケータイに割り当てるか?」は、「TCP-IPか否か?」に近い意味合いを持っている?。みたいな?(語尾あげ)

1ベースバンドチップはマルチ周波数対応可能だろう、という意見もあるが、チップのレベルで対応しても、電話機としては2アンテナ、そしてフィルターなど周波数が変わると調整しなければいけないものがたくさんあり、そんなに簡単にはいかないのが現状である。

1「デジタルはレゴも同然」は事実ではあるものの、2「デンパの送受信」は思いっきりアナログの世界。というほどの意味かと思う。どうも電波というのは、割当て帯域が少し違えば、届き具合が変わってくるものらしく、日本だけ、ヨソと違い過ぎる帯域を割り当てると、競争条件が違って来ますよという事らしい。

そゆ事なら。国内でできた「スゴいケータイ」も、海外では、最も基本的な「繋がる・繋がらない」の部分でチューニングに手間取る(または、単に電波の入り難いケータイ)という事になる。そのへんの調整は、思いっきり日本の技術(not イノベーション but カイゼン≒職人的な作り込み)が真価を発揮する部分ぢゃないのかと言う気もするが、海外進出に不利な事は不利だ。一億総ドッグフード喰いができないって事だから。

もっとも、それダケが「ガラパゴス囲い込みんぐ」の原因という事はないだろうけど。いずれにせよ、他に選択肢が無いというのはナニだ。

夏野さんの言うように、決めるのは役人でも電話屋でも機械屋でもない。お客様だ。「先進的な独自サービスの開発」と「世界標準に合わせた競争」の両方が出来るような帯域配分を!というのは、妥当な意見だと思う。
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なにが笑うってこの HTC EVO 4G。HDMIが付いてる。もしもマウスとキーボードが繋げりゃ、ほとんどの用途はこれ一つ、あとはいらん!とかならんかw。