地デジのタイムラグ

 「緊急地震速報」地デジ2秒遅れ 「これは大きい」と気象庁 : J-CASTニュースに関するメモ。

発生に関わる要因

  1. 放送局がMPEG-2エンコードを行う(事前にエンコしておけば良いのだが、そうも行かない番組も多い。1秒は遅れないだろうがミリだかナノだかはかかる)。
  2. 受信機もMPEG-2デコードを行う(1秒は遅れないだろうがいくばくかかかる)。
  3. ここに、以下の処理時間が地味に乗る。
    1. インタレ解除チップ
    2. リアルタイムスケーリング
    3. 倍速駆動液晶
    4. その他、高画質化のためのくふう。
    • ※このへんの性能は各社/機器ごとでまちまち。

 これらの結果、時報など秒単位のリアルタイム性は必ず影響を受ける。アナログ放送に比べると、ズレは宿命。

しかし多くの場合はそう騒ぐほどでもにゃいと思う。

 問題となり得るのは以下のようなケースだ。

  1. 時報(「ゆく年くる年」とか)
  2. ゲーム
    1. 音ゲー、アクション、格闘、シューティングなどの、いわゆる硬派モノ(コントローラ操作と、画面描き換えの間のミリセカンド単位のズレを知覚できる層限定)
  3. 地震警報、津波警報、など。

 これらの為に全てのニュースを「事前にエンコード」しておくのもナニだし、メーカーが必死で努力して高性能な商品を作ったとしても、それに見合った値札を下げられるとは限らない。別途「緊急警報システム」の組み込みを義務づけるという事になればそれはそれで補助金なりのコストがかかる。
 特に災害警報は重要だが、総社会コストの差し引き勘定というものは必要だろう。

アナログ放送に比べ、首都圏では平均1.95秒遅れて受信。ワンセグメント放送(ワンセグ)では平均3.85秒遅れる

 地震警報を一秒でも早く出すべく頑張っているみなさんにしてみれば3.85はちょっと容認し難い数字ではないかと思うが、逆に言えば「ケータイの視聴者」にも警報が届くという側面もあるので。