次世代DVD戦争の勝者は、「オンライン配信」なのだろう。邪魔だし。光学ディスク。

iPhoneでかき消されがちだがSCEもちょっとスゲェ。

 だが実際にふたをあけてみると、それは杞憂であったことがわかる。ディズニー、20世紀FOX、MGM、ライオンズゲート、パラマウント、ワーナーと、Universal以外のメジャーなスタジオはすべて参加する、という豪華さだ。映画の他、テレビドラマなどの配信も行なわれる。
 
 配信タイトル数は明らかにされていないが、デモ画像から読み取れるタイトルから推測するに、そのラインナップはなかなか豪華なものだ。少なくとも、「実験的にコンテンツを出してみる」というレベルではない。

 版元としては、「オンライン配信の全てをAppleに牛耳られては困る。音楽のように、価格決定権までいいようにされる気はないです」といったところだろう。彼らは「競合」を欲しているはずだ。

 日本のテレビのように、一種類の流通が圧倒的な立場に立つと、価値の創造者に成果に見合った報酬が渡らない*1。また、ダレカがジェイルブレイクした瞬間に大ダメージを受ける*2。消費者としても「競合」は望ましい。「競争」が起きるからだ。

  1. 『ダウンロードによる配布を行ない、14日間のレンタル視聴の他、永続視聴権の「購入」も可能。』
  2. 『配信解像度は、「SD」と「HD」の両方。HDというのが720pなのか1080i/pなのかは、現時点では不明。 』
  3. 『レンタルで2.99ドルから5.99ドル、購入で9.99ドルから14.99ドル。』
  4. 『同じPSNのアカウントを利用するPSPでも視聴が可能。』

 1600円で720pの永代視聴権が買えるなら、そう悪い話ではない。1080iなんてゴミファイルは要らない。なぜ「デジタル」に「アナログ時代の映像コデック」を持ち込む必要がある?*3。フルスペック・ハイビジョン・パネルなんてムダなもんは要らない。映画を売るなら、まず客を映画漬けにしなければならないからだ。お客はハード愛でるために金だすんではないのだ。永ちゃんにまで『またぁ?』と言われてしまうようではどうしようもない*4

 iTunesという「蛇口の元栓」は脅威だが、PS3という「蛇口の元栓」もそう悪くない。Appleの蛇口(iPod類)が常に「有償頒布の試作品」の色彩を帯びるのに対し、SCEの蛇口(PSx)は、ハナからウルトラオーバースペックだ。あと10年はたたかえる。

*1:版元や作者からみると、ハードも流通回路のひとつだ

*2:だからB-CAS/コピワン類のように紛糾する

*3:"the 1080i HDTV image format should no longer be applied in production and broadcasting"

*4:買っちゃった人にゆっくり映像見させてやれよw