ブンカの価値をコトバで語るのはホントは無粋だ。

 「橋下文化行政に物申す」——。大阪府橋下徹知事と芸術を学ぶ学生20人が文化行政をめぐって語り合う会が26日、大阪市中央区の府公館であった。補助金削減で存続の危機にあるオーケストラや文化と行政の関係などについて、橋下知事が次々に質問を投げかけ、学生たちの意見に耳を傾けた。
 
 集まったのは、公募で選ばれた18〜32歳の芸術系の大学生ら。補助金が削減される大阪センチュリー交響楽団については、「子どもの育成に力を入れているのだから必要」という声の一方、「根づいていない」と厳しい意見も。
 
 橋下知事が「僕は学者や有識者に、需要がなくても守るべきものを守れと批判されているが、需要があろうがなかろうがお金をつぎ込むべきか」と問いかけると、「文化を費用対効果で考えるべきではない」との意見が出た。ただ、「需要がなければ消えるのが当然。弱肉強食だと思う」という声もあった。
 
 最後は「残る文化と残らない文化の違いは、やっている人の必死さ。消えそうだからといって、行政が特定の何かに金をぶち込むべきじゃない。やっている人間がまず努力すべきだ」との持論を展開した橋下知事。「文化人と言われる人たちのしょうもない意見より、みなさんの意見は心に響く意見ばかりでありがたい」と語った。
 
 橋下知事は会の後、報道陣に「すばらしい時間を共有できた。自分の文化行政論に確信を持った」と語った。

 確か、共産党崩壊で危機に瀕したワルシャワフィルは『ジャイアントロボ』で息を吹き返した。サッチャー補助金切られた英国演劇界はキャッツを生んだ。

 特に前者は、クラシック知らん、というよりハッキリと莫迦にしていた自分でもビリビリ来たので、CDをいくつか買った。やっべー金払わなきゃ!って感じ。

 ブンカや芸術の価値をコトバで語るのはホントは無粋だ。音楽屋は演奏で、演劇屋は芝居で納得させるもんだと思う。それができる才能は少ない。だから大切にされるのだと思う。

 ブンカ的な補助金というのは、実はこのキモチの名残であるように思う。後継者たちが演奏や芝居で納得させる力を失った時には、切る事が「ブンカの保護」になるのではないか。

 だってほら。麦は踏まれて強くなると言うし。