Vizioが上陸したらしい。

■北米シェア

1位 2位 3位 出典
2007第2四半期 Vizio(14.5%) サムスン(前四半期1位) ? URI
2007第3四半期 Visio(13.0%) サムスン(12.8%) Sharp(12.0%) URI
2007第4四半期 SONY(12.8%) サムスン(12.3%) Vizio(10.7%) 同上
2008第1四半期 サムスン(13.9%) Sony(13.7%) Vizio(13.5%) URI
2008第2四半期 サムスン(18.3%) Sony(11.7%) LG(7.8%) URI

 出典にバラツキがあるのでゲンミツな表とは言えないが、2007第2四半期のVizioショックで一番ワリを喰ったのがSony(3位から6位へ)てのは、性能も良いが価格がダンチだったということではにゃいか。その後、値下げで順位を戻しはしたものの、サムスンの安定感と見比べるとむむむという印象は残る。高シェアは純粋性能だけぢゃ取れない。価格性能比でベスト(リーズナブル)でなければ。ヨノナカみんなフェラーリってわけにも行くまい。

 Vizioについては、ぶっちゃけ北米市場でのシェアは失速気味な様子が伺える。んが、同社は2008第2四半期にプラズマの方でシェア25.1%。松下に次ぐ二位に付けている(URI)。つまり、他の有名ブランドが値下げで応戦すれば、スカポンと競争の薄いところへ逃げるとゆー、なんか騎馬民族みてぇな?。

 テクノロジー : 日経電子版や、VIZIO - Wikipediaによるとこの会社は:

  • 完全なファブレス
  • 液晶テレビの企画と設計だけ。
  • 株主は鴻海精密工業(台)と瑞軒科技(台)。購買、製造、物流に協力。
  • 両社は日本メーカーや米HP社から液晶パネルを大量に購入しており、Vizio社はこの価格交渉力を利用できる。
  • デザインも低価格品とは思えないほど高級感がある。2007年のドイツのグッドデザインに相当する賞を受賞など。
  • 単に安価なだけでなく品質も高いと市場では評価されている。
  • 倉庫販売店Costco、Sam's Clubに加え、Wal-MartとSearsへ販売網を広げた効果で躍進。
  • MPEG-2特許料をシカト、係争中
    • Vizio社は『サプライヤーMPEG-2のライセンスを得ており,このライセンスはVizioの製品にも及ぶ』と反論。これが通る通らないはともかく『この訴訟の抗弁では,サプライヤーの全面的な協力が得られるだろう。』とのコメントは示唆的だ。取引継続をタテに部品メーカーの特許を持ってっちゃう大手企業、みたいで。

 要素部品を外販する限り、こうした遊牧民チックな集団の「価格破壊エフェクト」は止められない。Vizioがベスト3圏外に去ったところで、値札を戻せばまたいつ来るかわからんわけだし。日本がカルテルかなんか結んだとしても、既に大型液晶パネルの世界シェアは数量ベースでこんな感じ。

1位 2位 3位 出典
08年第1四半期 サムスン電子(韓国)20.5% 友達光電(AUO、台湾)20.0% LGディスプレー(韓国)19.8% URI

 上位3社で60.3%を占める。こういうのは数の多い方が勝つ。数を出すほうがカネも貯まれば性能も上がってゆくからだ。このままだと「日本製。だから性能が悪い」ってな事になるまでに10年かからんように思う。アメリカのテレビメーカーはそうやって潰れていったわけだし。別に「コシヒカリ」みたくブランド化する手もあんだろうけど、中印ブラジルの「中流」って年収300万くらいでなかったか*1、国内家電の大合併つう、噂も出ないのは残念な事だと思う。

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*1:BRiCs』の眼目は、全員が先進国並みの収入になるわけではなく、この中流が爆発的に増えるてとこだったと思う