「つぼ八」では唐揚げの事を「鳥唐ザンギ」と呼んでいた。

バイトしててずっと「なんだザンギって」と思っていたのだが、フライヤーのおねーさんによると「北海道ではそーゆーのよ」という事だった。

食べ比べによる比較を試みておられるが、残念ながら結論はでていない。こうなると語源から攻めて見るべきではないか。

語源を並べてみる。

  1. 中国語由来説
    • 炸鶏(ザーキー/ザーチー)、炸子鶏(ザー・ツゥ・チー)、揚鳥(ジャージー)、軟炸鶏(エンザーチ(骨付))、清炸鶏(チンザーチ(骨なし))
  2. 切り方由来説
    • 散切り
  3. 仏教用語由来説
    • 慚愧
      • 慚は自分や人に対して恥じること。
      • 愧は他や天に対して恥じること。

肉食が「きもちわるいもの」「食べるのは世間体が悪いもの」だった時代でも「薬」と称して肉を喰う人はあったわけで、3番は「慚愧に堪えないおいしさです(うふふ)」という事だろうか。

方言研究の世界に、京都を中心とする同心円上に「古語」が残っているという説がある。


A)熊本あたりの方言にはすんごく古い京都コトバが残っており、広島あたりの方言にはちょっと古い京都コトバが残っている。みたいな。デンパとかない時代の「流行語」は伝播に時間がかかる事を考えると、ナイ話ではない。


B)『ザンギという名物の謎に迫る!! | 北海道雑学百科ぷっちがいど』などによると、中四国、山形などでも、一部で、せんざんき(千斬切)、ざんき、ザンギ、などと呼ぶらしい。


A)とB)を混ぜてみるに(Google Maps参照)...

  1. もともと中国伝来の「鶏の唐揚げ」が、京でザンギ、またはセンザンキ(清炸鶏・チンザーチ?)と呼ばれていた。
  2. それが地方に伝播、北端は山形、南端は今治。もともとは「唐国渡りの料理」という「ふれこみ」付き。
  3. その頃すでに京都では「唐揚げ」に変化しているが、それはまだ伝わっていない。
    • 交通、通信の未発達のみならず、殺生を嫌う「肉食のタブー」により「慚愧」的な意味が付着、どちらかと言うと、おおっぴらに喰えるものではなく、伝播速度は他のコトバより遅い。
  4. ここで明治維新
  5. 山形、または愛媛出身者が北海道に入植し「ザンギ」を出す。「唐国渡りの料理」という「伝承」付き。

なんてな〜。