おためごかし
SBTVDを「日本方式」と呼ぶ事には違和感ギンギン。
2009年3月9日
総務省は民間と連携して地上デジタル放送日本方式の海外展開を図っている。ブラジルが日本方式の採用を決めているが、今なおライバルの米国方式、欧州方式と熾烈な国際競争を繰り広げている。海外展開の現状や現地での日本方式の反応などについて総務省の松井正幸・情報通信国際戦略局国際経済課課長補佐に聞いた。
−−海外普及の現状は?
国際標準化されている地上デジタル放送方式には、日本方式(ISDB-T)、米国方式(ATSC)、欧州方式(DVB-T)の3方式があります。日本方式は03年に日本で放送が開始されましたが、06年にはブラジルが採用を決め、07年12月から放送を開始しています。一方で、米国方式、欧州方式は日本より5年早い98年に放送開始されており、特に欧州方式は早期に海外展開を図っており、現在欧州各国を中心に35カ国で採用が決まっています。
日本方式は海外展開の開始は欧米より遅れてしまいましたが、その分最新の技術を取り入れた技術的に最も進んだ方式であるので、ブラジルでの採用をきっかけに、まだ方式の決まっていない南米諸国やフィリピンへの採用の働きかけを官民連携で積極的に行っています。南米諸国に対してはブラジルと連携して働きかけを行っています。
−−日本方式の何がセールスポイントなのか
日本方式は、最新の技術を複数取り入れていると申し上げましたが、例えば、電波干渉に強い優れた伝送特性を備えており、他方式と比較して遠隔地や山間地などで良好に受信できます。日本のように高層ビルが立ち並ぶ都市、山間地、離島など様々な地形を有する国では必須の技術です。
また、今ではほとんどの携帯電話で、標準で使うことができるワンセグ放送は日本方式にしかできない技術です。ワンセグの技術は一つのチャンネルで固定のテレビと携帯端末の両方で受信できるという画期的な技術で、これにより放送局は一回の設備投資で固定のテレビと携帯端末の両方に同時に放送することができます。
日本方式は固定のテレビと携帯端末を合わせると全世界で1億台近くの受信機が売れており、世界で最も普及している方式です。世界で最も普及している方式なので、関連する機器も安い価格で提供可能になっています。
−−現地の人々にどう役立つのか働きかけを行っている南米諸国やフィリピンでも携帯電話が急激に普及してきており、人々の生活必需品になってきています。日本方式でのみ可能になるワンセグ放送は、現地の人々にとっても新たな情報ツールとなるでしょう。
また、双方向機能を活用した様々な新しいサービス、例えば番組と連動したショッピング、参加型クイズ番組、行政情報の提供、遠隔教育、遠隔医療等その国のニーズにあった新たなサービスが提供されることが期待されます。日本方式は、これを他方式と比較して安価に実現することができます。さらに、日本が行っているODAプロジェクトとの連携などによる採用国の社会開発に貢献できる活用方策についても模索していきたいと思っています。−−今後の対応は
現在、アルゼンチン、ペルーが方式決定の最終段階にあるので、日本方式が採用されるべく最後の働きかけを行っています。日本方式は技術的にも、コストの面でも最も優れた方式ですので、日本方式の優位性をしっかりアピールしていきます。日本方式が国際的に採用されることは、日本メーカーのデジタル放送関連機器の販売の海外展開を促進し、日本のICT国際競争力強化に寄与するとともに、採用国との長期にわたる政治・経済関係の強化、文化交流の促進が期待できることから、1カ国でも多くの国で採用されるように今後とも取り組んでいきます。
- 2)ISDB端末の出荷はほぼ国内に限られると思われる。『世界で最も普及している方式』ではない。
- デジタルテレビ規格の採用状況
- 南米の状況は、ブラジルの地域覇権に対する警戒感(寄らば米国の影→ATSC)と、EUとの歴史的紐帯(出稼ぎ行くなら旧宗主国→DVB)から予断を許さない。
- 世界シェア60%を誇るNOKIAは、DVB搭載機を展開している。
- 3)また、関連機器が安い価格で提供されているとも言えない。
代表的なサイズにおいて、北米、欧州共同体、日本、中国での液晶テレビのネット販売での販売価格比較は次の表の通りである。世界では薄型テレビはすでにコモディティ化しつつあり、独自の高付加価値を追求する日本製品の販売価格の高さが特徴的である。(携帯電話と並び、ガラパゴス化していると比喩されることもある)
サイズ 解像度 北米 EU 日本 中国 19インチ 1440×900 297ドル 344ドル 506ドル 246ドル 32インチ 1366×768 607ドル 654ドル 891ドル 609ドル 42インチ 1920×1080 907ドル 1093ドル 1709ドル 946ドル (2008年12月のデータ)
「加工貿易立国」を志向するならATSCを選んだ韓国や、DVBを採る台湾のほうが素直だし、「技術立国」なら世界シェアを獲れねばカネにならない。ISDBには、世界シェアがない。スケールメリットがない。コストダウンできない。
だからISDBと言わずに「日本方式」と言うのだろうか?技術的にも日本語としても間違いではないだろうけど、、、、そういうの、オタメゴカシって言わんか?