基本的にB-CASの推進剤は、以下の三つだと思う。

  • 1)メディアの多様化に危機感を抱いたNHKが、受信料徴収を万全ならしむるために(年間約6000億*1)。
  • 2)「テレビは放送でみるものです!」がビジネスモデルの民放が、録画する気をなくさせるために(年間約2兆*2)。
  • 3)コストパフォーマンスで中韓に敵わない家電メーカーが、パラダイス鎖国絶対防衛圏として*3

つまり著作権あんま関係ない。憶測100%だけど。

B-CAS/コピワン/ダビ10を押し通すには、それなりの資金力と政治力が要る。てゆうか「たかが著作権のために」ここまで大掛かりなものが導入されるとは考えにくい。この三者に比べれば、映画会社や実演家団体の力など、たかが知れている。

だいたい「テレビ番組の著作権」は、NHKと民放が持ってる。「製作著作・NHK」。だのにナゼ、08Q2ダビ10紛争で、映画会社や実演家団体ばかりが目立ち、NHKと民放の発言がほとんど目立たなかったか。

思うに彼らの収入の柱は受信料やTVCM*4であって、番組販売(DVD)や放送権販売、つまり著作権はクリティカルでない。真に著作権がクリティカルな収入源であれば、NHKと民放はハリウッドのようにVHSを訴えていた筈だし、映画製作者連盟のようにコピーネバーを主張して止まない筈だ。

2)はどこの国にもあるのだけれど、地上波無料放送が「娯楽の王様」なのはG7中では珍しい。広告代理店が「大企業」なのも、G7では珍しい。これは経済の東京一極集中が、広告窓口の一極集中を生み、そのお金が

  • [デンパク→キー局→地方局]

という用水路を通して、全国に流れるシカケが出来上がっていったせいだと思う。

これら日本固有の事情を勘案せずに「著作利権」VS.「視聴利権」でバトるのは、上記三者の思うツボだと思ってる。

*1:これを原資とするファミリー企業の売上げは含まない。

*2:日本のTV広告費。電通しらべ

*3:端的には薄型テレビ-価格の国際比較-wikipedia

*4:ひらたく言えば「電波免許の関所守り」