4大既存メディア広告とインターネット広告の推移をグラフ化してみる:Garbagenews.com

////以下ブコメ
もしも「日本の映像は企業広告費が命綱」が正しければ、その構造は保たない。

  • 「テレビ広告費」は伸張する情勢にない。08Q4金融危機など瑣末な事だ。
  • 「インターネット広告費」を制作原資とする事は難しい。試行錯誤を否定するものではないが、現状ではビジネスモデルが確立していない。

目指すべきは「サクヒン自体を売って喰う」。

  • まんがだってゲームだってそーなってる(AVも)。
  • 売れなかった時のリスクは、まんがならまんが家が負う。ゲームならゲーム会社が負う。共通項は「制作資金の提供者」が「自己の存続を賭けている」こと。
  • テレビ局だって「制作資金の提供者」だし、視聴率低迷の責任は負うけど、彼らは路頭に迷わない。倒産する事もない。放送免許があればいい
  • プロバイダが「自己の存続を賭けて」「制作資金を提供」なんてあり得ない。出版社はまんがの制作資金なんて出さない。ゲオはゲームの制作資金なんて出さない。ラムタラがAVの制作資金出すなんてあり得ない。流通は「売れる商材」を仕入れるだけだ。そもそもココの部分が「ロハ」で済んでるプロバイダに、リスクを背負う動機はない*1

深夜アニメでは「製作委員会」が「制作資金の提供者」となり「売れなかった時のリスク」を負う。しかし、広告放送が圧倒的な「映像の伝播回路」である限り、投資回収の難易度は高い。

一方で、テレビ放映枠を確保するために製作委員会などが、テレビ局に支払ういわゆる波代に対する不満は多い。このため最近では、波代の高い首都圏キー局を放映から外す動きや、OVA作品としてテレビ放映を行わないケースも増え始めている。

彼らはDVDの宣伝の為に「放送時間」を買っているわけだが、供給が寡占だと、競争原理が鈍く、価格は高止まりで、横並びになる*2

目指すべきはここだ。

【ハリウッド映画に見るウィンドウ】

WINDOW1 映画興行 →0ヶ月
WINDOW2 機内上映 →1ヶ月後
WINDOW3 レンタル・セルDVD発売 →3〜6ヶ月後
WINDOW4 ペイ・パー・ビューTV →7ヶ月後
WINDOW5 ペイTV局 →1年後
WINDOW6 ネットワークTV局 →2年後
WINDOW7 ケーブルTV局 →ネットワークの1年後
WINDOW8 地方TV局 →ケーブルTV放映のあと
WINDOW9 インターネットによるオン・デマンド配信 →随時

(『ビッグ・ピクチャー』エドワード・J・エプスタイン著/塩谷紘訳/早川書房

多種多様なWINDOWに「繰り返し、何度も売れるのが良い番組」。

『24』や『ヒーローズ』などのやたらクソ長ぇ連続ドラマは、ペイTV、ネットワークTV、CATV、地方TV、などの「多種多彩な流通」に「繰り返し、何度も売れる」事を期待して、制作資金を集めているのぢゃまいか。

もしここを目指すのであれば

1)「放送免許」と「製作・著作」は分離していなければならない。ツタヤは商材の著作権を持ってないし、ビックカメラは商材の特許権を持って無い。

2)「広告放送の伝播力」は、相対化されねばならない。「宣伝の為に売り物を全部タダで見せる」のは、商売としてはオカシイ。デパ地下の試食で満腹になるのは、難しいのが普通だ。

*1:彼らの知恵と勇気とプロ根性は、設備投資リスクとARPUに向かう。「サクヒン」は「コンテンツ(なかみ)」であり、プラントのプロにとっては、それが重油であろうとコーラであろうと構わない。

*2:「地デジ」はSD、せめて720pにしときゃあ、免許供給数をもっと増やせたものを。