情報通信審議会の中間答申に、CATVによる従来テレビ救済策が乗りそうな件

【ブクマ】

  1. 2009年5月21日 読売新聞:地デジ移行後もアナログ視聴可能に…CATVで変換
  2. 2009年5月22日 朝日新聞:CATV世帯、地デジ移行後もアナログOK
  3. 2009年5月22日 MSN産経:情報通信審議会 CATVでアナログ放送提供する答申案
  4. 2009年5月22日 毎日新聞:地デジ化:共聴施設用の対策を 中間答申案で指摘
  5. 2009年5月23日 日本経済:総務省、地デジ移行後もアナログ提供を CATVに要請へ

【コメント】

総務省は22日、2011年7月の地上デジタル放送移行後も、暫定的にアナログ方式での提供を続けるようCATV会社に要請する方針を固めた。
~
25日に開く情報通信審議会(総務相の諮問機関)総会で正式に決める。
上記五番:日経新聞

この書き方だと、どういう経緯で記者さんの知る所となったのか、ちょっと興味深い。また、正式決定の前に「方針を固めた」とか、しかも主語が「総務省」とか、ダイジョブなのかなコレ。諮問される委員の人がへそ曲げちゃったりしないのかな。それとも、そのへんは了解を得た上で、記者クラブで「懇談」したんだろうか。各紙報道とも揃ってるような違うような....微妙な感じ。まぁ25日になれば詳しい事出るんだろうけど。

ともかく『情報通信審議会(総務相の諮問機関)総会で正式に決める』という事で、鳩山総務大臣に出される中間答申に乗るようだ。

■アナログケーブル中継を継続すべき理由
読売 朝日 産経 毎日 日経
アナログテレビを捨てずに、使い続けたいという視聴者の要望に対応できることなどから、「緊急避難措置として 各家庭の2台目以降のテレビの地デジ対応が進んでいないため 移行後もアナログテレビを継続的に利用したい視聴者の要望に応えるため ビルの陰のテレビ難視聴世帯や集合住宅に電波やケーブルで再配信する共聴施設で、地上デジタル放送の対応が遅れていることから〜「緊急避難的措置」として 激変緩和措置が必要と判断した。

各社リキの入り方は様々にせよ、ここまで違うものなのか。というのはともかく、これは毎日が一番詳しかった。難視聴/共同アンテナ対策の中で、「ご一緒にポテトはいかがですかぁ?」的な位置づけっぽい。特に電波がVHFからUHFに代わる地域では、電波の直進性や回折性が変わるので、半世紀に渡るビル陰対策がやり直しになる*1。またマンションの管理組合などは、アンテナ工事の見積もりみて「そんな金無い」という家があるとそこで止まる。高度成長期の「ニュータウン」などは存外に厳しいようだ。

なお朝日の言う2台目以降のテレビがどれくらいあるかと言うと、世帯平均2.5台、全国合計で1億から1.2億台。活用度は、平均視聴時間が一人一日四時間。世界的にはOECD加盟国中第二位のテレビッ子だそうで(URI).

これを期限までに全部買い替えろと言うのは、もともとが無茶なハナシ。累計出荷台数が5千万だの6千万だのでは、まだまだ足りない。残り約24ヶ月で、同じ数を上乗せしなければならない。不足すればするほど、政治的発火性が高い。別にそんなにTV見ねぇよって国ならそうでもないだろうけど...自宅近辺は電波来てるので台数分チューナー買うほうが安いけど、選択肢が増えるのは嬉しい。偉いぞ情報通信審議会。

ただ、あくまで「緊急避難的措置」なので、期限がある。

■アナログケーブル中継の継続期間:
読売 朝日 産経 毎日 日経
導入の最終的な判断は各CATV事業者に委ねるが、実施期間や終了時期については政府が定めることとした。 数年間の暫定措置として実施する。 アナログ放送の視聴可能期間については、総務省が今年度中に決定するとしている。 未記載
未記載

これは読売と産経が詳しい。どうも「難視聴/共聴施設対策に目鼻が付くまで、CATV会社のみなさん手を貸してくがさい。地デジカからもお願いします」。という感じらしい。うなっ。テレビ壊れるまでやってくれよん鳩山さん。個人的な正義感で。

ところで日本のCATV会社は営業区域が狭い。隣市で配ってたチラシ見て申し込むと、やってませんゆわれた。こういうのは規模の経済がどかんと来るだろうに淡白なと思っていたところ、CATVの営業免許は市区町村単位に限定されているのだそうな。真偽はわからないけど、日本民間放送連盟の意向だそうな。ともかく、狭い事は狭い。

そうなると、CATVが地上放送のライバルに育つ事は難しいだろう。番組がどうこう以前に、鉄道会社のようにケーブル敷設を安く上げられる母体が無いと広域営業にはなかなか手が出ないというか、むしろ「自治体の広報」や「難視聴対策に使われる地上波の下請け」にとどまりかねない。実際、自分の市内のCATVがそんな感じで、、、なんかショボイ。

■CATV会社への補助
読売 朝日 産経 毎日 日経
アナログテレビでの視聴を続けることができる「デジアナ変換」の導入を促進し、国が支援することを初めて明記した。 未記載 未記載 未記載 同省はアナログ変換機器の購入費用などを支援する。

CATV会社には、デジタル放送をアナログに変換する機械の購入補助が出るようだ。一方で、デカクて電気喰うTVほどエコポイントが沢山貰えるのと比べると、ちょっと、、水道が止まる家に洗濯機の購入補助出すような感がある。

でもCATV入ってる家というのもそう多くないだろーし、そんなもんかなぁ。と思っていたところ、

■CATVの世帯普及率
読売 朝日 産経 毎日 日経
未記載 現在、全国のCATV加入世帯は約2300万。 未記載 未記載 CATVの加入世帯は全国で2000万件に上り、

日本の総世帯数はざっくり5千万。割って46%。うそぉ!そんな高いの?

*1:おそらく2011にはリセットさんが大量発生すると思われる