ダブル・トライアングルと、情報のATフィールド
衆院選(18日公示、30日投票)が近づく中、各地の医師会を中心に業界団体の「自民党離れ」が広がっている。医師会といえば強力な自民党の支持 団体だが、小泉政権以降の社会保障費削減や後期高齢者医療制度に反発し、民主党候補支援に転じたり、自主投票で中立のスタンスをとるケースが目立つ。農業 団体の一部にもそうした動きが表面化。政権交代が現実味を増し、自民党長期政権のもとで補助金や選挙支援を媒介に結ばれた「政・官・業」のトライアングル が揺らいでいる。
紙面には自民に叛旗を翻した団体の一覧表がある。地方の医師会や農業関係の政治団体が多い…にしても、「政官財」とは良く聞くけど、「非・マルノウチ型」は「政官業」と言うのか。て事でヒラメいた妄想など。
前提とする仮定
日本の統治機構は、以下の3点が土台になっている…と思うw。
- 議院内閣制はタテマエ、ホンネは中央省庁連立内閣。
- 中央省庁は「事実上の政党」。則ち、産業分野別の利益代表。
- 大臣(派閥順送りダレでも一緒)なんて飾りです!
ぶっちゃけ官僚さんのホンネを想像するに、「首相なんて飾りです。国会なんて飾りです。専門家会議なんて見世物です。パブコメなんてオマケです。「ほんとうの仕事」はオレ達(官僚)がやってるんだ!民主党が何人来ようが、全部「教育」してやるよ!!」といったところジャマイカ。
とゆー仮定の下に、「政官財」や「政官業」ではなく、「官政財」や「官政業」で図案化してみる。
ダブル・トライアングル
- 右の第一トライアングルは経済成長担当(外需)。
- 左の第ニトライアングルは所得移転担当(内需)。
- 右で稼いで、左へ回す。
すっげー乱暴だけども、こんなカンジの図を肚に呑んどくと、日々のにうすが少しわかりやすくなる鴨と思った。
第一トライアングルは主に経済成長担当(外需)。
無資源国だし国土狭いし人口多いから、興国の礎(w)は交易*1という事になる。日本は明治初期の蚕・生糸を振り出しに、じわじわ貯めたお金を「より高い付加価値を産む、より高度な産業」に再投資してきた。製糸→織物→米国からくず鉄買って製品作って中国で売るとか、わらしべ長者状態。
第ニトライアングルは所得移転担当(内需)。
第一わらしべで稼いだお金を、第ニに回して「みんなでしあわせになろーよ」ってシカケは、戦前は「陸海軍」が相当デカかったはず。明治以来、手探りでやってきた「和魂洋才」を整理して、ソ連の計画経済を一部取り入れて作った満州国の経済成長プランてのがあんだけど、戦後復興路線の下敷きにはコレがある筈。
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とりあえず09Q3現在の日本の問題は、第一の運転効率が下がってて、第二がうまく回らなくなってる事。あるいは、第二が使い過ぎてて、第一がカフカの世界に入ってる事。第一のカイゼンも第二の合理化もあんまうまくいってなくて、国庫の借金がうなぎ昇ってる事。と理解してる。
自動車、電機大手が人件費、研究開発費などの固定費と原材料費などの変動費を絞り込む。2009年度のコスト削減計画額はトヨタ自動車が8500 億円、ソニーが8000億円以上を見込むなど乗用車7社と電機大手9社の合計で約5兆円に達する。乗用車7社の今期の売上高予想が前期より約9兆円減るな ど市場収縮が続く中、損益分岐点を引き下げ国際競争力の回復を急ぐ。
乗用車7社と電機9社のコスト削減額は、各社の公表値をもとに算出した。総額が非公表の場合は判明している項目ごとの金額を積み上げており、数値は削減計画の下限に相当する。減収に伴う変動費の減少を含む。 (10:01)
紙面にはもうちょっと長々と解説してあるんだけど、あの、エコカー減税やエコポイントって、波及効果が大きいとかそういう理由だったんでないの?「あれだけやってなお5兆」なのか「あれだけやったから5兆で食い止められてる」のか、そこんとこのPDSサイクルは、この国ではドコで回ってるんだ?などと思った。オレは「景気変動に脆弱な高付加価値型商品」に吶喊し過ぎだと思ってるんだけど。てゆうか、『乗用車7社と電機大手9社』こんなに要らないと思うんだけど。
情報のATフィールド
しかしてこの「ダブルトライアングル」の中を流れるヒトモノカネの動きは、結構見えにくい。日本にはこういうもんがあるからだ。
少し細かくするとこうなる。
んーと、これ、日本人は世界有数のテレビッ子*3とか、日本の新聞購読率は世界有数とかの事情と合わせると、相当「コントロールの聞きやすい国民」て事になるんぢゃないだろうか。
まず上杉隆さんや神保哲生さんなどが批判している「記者クラブ」。これは「ダブルトライアングル」の各所に存在している。元々は情報を隠しがちな政府に対し、マスコミが一致団結して「記者会見ひらけーひらけー」と圧力をかける為にできたものだそうなのだけど、現在ではコレに加盟していないジャーナリストを記者会見から締め出す為の道具になっているそうな。最近自分が読んだので面白かったのはこのへんだろうか。
- Business Media 誠:上杉隆×ちきりん「ここまでしゃべっていいですか」:朝日新聞の記者はそんなにスゴイの? 日本の常識と世界の非常識 (1/2)
- 大手メディアが決して報じない、 「メディア改革」という重要政策の中身 | 民主党政権が実現すると、何がどう変わるか? 神保哲生 | ダイヤモンド・オンライン
現在の「全国紙」というのは、戦争中の「紙資源の節約」と「検閲の省力化」の為に新聞社の大合併が実施されて成立した部分が大きい*4。これは戦後も元には戻らず、そのままキー局・全国ネット設立の出資元になった。さらにテレビ局の放送免許は、一県一波という事で、県単位に細分化されている。いきなり加齢臭が漂うが、週刊現代2009/08/15号の特集記事「どこも書かない地デジのウソ」によると、
といった具合だそうです。へー。
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いやいや、あんま店拡げちゃダメだオレ。この記事は、日々のにうすを脳内で整理し、位置づけるためのモデルを、ちょっとカイゼンしようと思ったんだった。まだだ。思いついたばっかで葉っぱつけちゃいかん。でもすげぇよくくっつく希ガスオレ的にw。
うーん『「政・官・業」のトライアングル』かぁ。初めて見た。流石プロはウマい事いうなぁ。
*1:加工貿易ぢゃないよ。交易の基本は「価値差を見つけてサヤを抜く」。加工貿易やものづくりは「価値の落差」を増す為の一手段に過ぎない。一番効率が良いのは観光だと思う。喰う寝る遊ぶで全部むしれる。しかも輸送費あっち持ち。オサイフが自分で飛んで来るようなものだもの。
*2:…とりあえず「くるっと矢印」がウマく描けてわたしわうれしい。
*3:・日本人の睡眠時間は短いけれど食事時間は長め?--OECD調査 | ライフ | マイコミジャーナル
・【中国対日観】余暇は「テレビ」、睡眠時間は世界最短 2009/05/07(木) 12:50:56 サーチナ