ジャパン・バッシング

ボートマッチと呼ばれるものをいくつかやってみたが民主と被るところが一個もなかった。そりゃま確かに、自分が民主を気に入ってる最大のポイント「記者クラブ廃止」はマニフェストでは明白でないんだが。毎日に至っては「あなたは幸福実現党支持者です」とか抜かしやがる始末w。嘘でしょ!*1
しかし一番大事なのは「成長戦略」、無理なら「痛みを分け合うための理屈」だと思っているので*2、どの党の主張もその部分がクリアではないのかなと思った。

借金は今、どれくらいあるのか。国債と地方債を入れておよそ820兆円だ。
アメリカは今、借金が多い、多いと言われるが、OECDの2009年度見通しによると、アメリカの借金はGDP比で78%。
日本の借金は、GDPの168%(2009年度末見込み)。世界でもこんなに借金の多い国はない。
2番目に多いのはイタリアだが、2009年度見通しでGDP比114%だ。
しかも、日本は借金をなお、加算しようとしている。
自民党民主党も、日本を破綻に追い込もうとしているのではないかと、私は両党首に聞いた。
今年の予算では、歳入は46兆円。しかし借金は44兆円。しかも平成の埋蔵金を入れると56兆円。つまり収入よりも借金のほうが多いというわけだ。
これでは日本は本当に破綻に向かってしまう。
だが、日本は破綻に向かっているという危機感が、自民党のトップにも、民主党のトップにも欠けているのではないか。国民にも欠けているのではないか。
横浜の中田宏前市長に、彼が市長を辞めて3日後に会った。
中田さんは「今だから言いますが」と断わって次のように話した。
実は彼が市長になるとき、横浜市は借金が5兆円あると言われていた。この借金を減らさないと横浜は第二の夕張になると言われた。
市長になって調べてみると、借金は実は5兆円ではなかった。7兆円だった。しかも7兆円あることを調べるのが大変で、半年かかったという
官僚や役所は皆、隠そうとする。
私は、借金が増えれば第二の夕張になるという危機感が官僚などの役人にはないのだと思う。市会議員にもない。市民にもない。
そこが大問題だろう。
借金を減らすために、中田さんはいろいろやった。
例えば、横浜はまだ人口が微増している。そこで学校を作らなくてはならない。だが、財源を悪化させないようにプレハブの学校を建てたら、まず市会議員が大反対。マスコミも大反対した。市民運動まで起きた。
「なぜちゃんとした校舎を作らないのか。差別じゃないか」と。だが、財源をどうしたらよいのかについては論議したこともない。
他にもあった。横浜市内の市立の保育所を民営化しようとした。
これには市役所の職員が反対。労働組合も反対。市会議員も反対。市民団体が反対デモまでやる。しかも、マスコミまで反対。
本当に財政を悪化させないためにやろうとすると、全部が反対に回った。
「国のことだから何とかなるさ」と、皆が思っている。

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1950年代。米国の絶頂期には旦那一人の稼ぎで家族が喰えた。その後、当時の生活レベルを維持するには専業主婦カコワルイ風潮が必要となってゆき、90's初頭にはDINKs*3まで行った説。

その後、概ね40年間の下降過程、つまり、その時代を知ってる世代が政治や企業経営の主流だった時代は、「悪いのは日本だ!」とゆージャパン・バッシングが吹き荒れたのだけど、「米国の団塊世代(つまり戦後すぐの生まれ)」は、うーん、そーかなー。親世代ほど豊かな暮らしを実感できないなー。自分の子供達の時代はもっと悪くなってゆくのではないかなー。という不安も持っていた。

米国の大多数が「いいや、そうじゃない。ボクタチは新しい成長モデルを探らねばならない時期にきている。政治も経済も変わらなきゃ!」という意思表示をしたのが、大統領でいうとビル・クリントン(1993〜)。超ど貧乏な南部のド田舎アーカンソー*4で、知事として教育予算や福祉予算をキリキリ切り詰めて来た苦労人。日本のとはちょっと違う、「米国の団塊」の代表だ。

経済最優先を掲げたクリントン政権はその当初から経済政策に力を入れる。アメリカ経済の中心を重化学工業からIT・金融に重点を移し、第二次世界大戦後としては2番目に長い好景気をもたらし、インフレなき経済成長を達成した。

ちなみに副大統領のアル・ゴアさんが「NII、全米情報インフラストラクチャー」ちゅ計画をぶち上げなかったら、今日のイソターネットの普及はない。またこれもアル・ゴアさんが環境問題の専門家*5でなかったら、オバマさんのグリーン・ニューディールも、様相の異なるものになっていただろう、、、いや、ちなみ杉だ。話もどせオレ。

この時代に「ジャパン・バッシング」はなりを潜めた。落選した第三の大統領候補、ロス・ペローが行った「アメリカ・バッシング」ともいうべきキツい指摘が、多くの人々の心に衝撃を残し、米国経済悪化の責任は、米国のシカケそのものにある。という認識が深く広く浸透したからだ。

もちろんアメリカもリニアに一直線というわけではなく、GWブッシュさんが同時多発テロで強いアメリカまんせー(伝統的な産業経済構造の揺り戻しも含む)な方向に戻したり、またオバマさんがちぇーんじとかいったり、ふくざつなのだけど、あたしゃアメリカ人ではないのでその事は別にいい。
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日本はまだ、「国のことだから何とかなるさ」と、皆が思っている。昨今の不況は「米国発金融危機」のせいだと思ってる。「いきすぎた小泉改革」のせいだと思ってる。自分は、80年代に米国が予想した「第二第三の日本」にうまく対処できてないせいだと思ってる*6

  • 62年体制:所得倍増計画 ← 外需、外征、戦地の兵*7。官僚主導の計画経済。
  • 72年体制:列島改造論 ← 内需、内功、銃後の護り。自民主導の利益分配*8

日本はこの両輪で回ってきたのだと思ってる。前者がコケれば後者もコケる。日本の外征軍は、「高付加価値偏重」でありすぎる。日本の外征軍は、「もの偏重」でありすぎる*9。日本の銃後は、非効率でありすぎる。

もしもこの妄想が「あたり」で、だけど「みんな」がそれを認められずに居るのなら、それは、一億総UAW化というカンジだ。米国と異なり日本のベビーブーマー団塊は、「昇ってゆく感覚」しか知らない。それどころか「バブル入社組≒アラフォー」あたりまでもが、そうだろう。

、、、ん?って事は、おいら的にはなるたけ若い人。35歳以下の候補者、ってゆう選び方もあるのかな?

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と思ったらボートマッチ類でメダパニってる方が他にも居られた。うれしい。

*1:たぶんコレ安保絡み。自民は非核三原則で嘘臭い「ホンネとタテマエ」を捨てきれないし、民主は頭からタテマエを押し通そうとしてる。その点、幸福のみなさんは、、、正直者であるらしい。

*2:ぶっちゃけ安保は幸福実現党ほど正直にならなくても、当面は大きな問題はなさそうなので。

*3:ダブル・インカム・ノー・キッズ。にゅーよーくのアクティブな消費者はコレだ!的なカンジで一時期もてはやされた。

*4:そこのド田舎っぷりは『ドイツ兵の夏』という小説が良いと思うのだけど絶版だ。ちょっと残念なので復刊.com簡単な書評のリンクはっとこ。

*5:ITもそうだけど、これも「議員としての専門家」。議員歴としちゃITより環境系のほうが長い。結構筋金入り。

*6:90年代の始めにはヒュンダイのおかげで「日本の中小型車」は望む程の高い値札をさげられなくなっていたし、従事者たちが「産業のコメ」と豪語したメモリー業界は、集団でサムスンに値下げしないでとお願いしに行っていたし、台湾は既に「世界のパソコン工場」になっていた。

*7:植民地獲得の代替。従って、自動車や電気製品で世界シェアを奪われるという事は、列強諸国が植民地を失陥するに等しい。

*8:米国よりも遥かに平等

*9:デイビッド・ハルバースタムさんの言葉を借りれば『宗教的なまでに大型車にこだわったデトロイト』のやうだ。