「はやぶさ」がちと厳しいらしい。

  • 松浦晋也 (ShinyaMatsuura) on Twitter
    • がんばれ、はやぶさ。そして「はやぶさ2」はまだか。JAXA|小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジン異常について
    • はやぶさイオンエンジンはA-Dの4基。3基運転がノミナル。長期航行が続き、すでに想定した寿命は尽きている。いつ壊れてもおかしくない状況での綱渡りの運用が続いていた。
    • 定格推力は8.5mN(ミリニュートン)となっているが、実際には7.5mNあたりで運用してきた。しかし、すでに劣化が進んでおり、5mNちょいぐらいしか推力が出ない状況となっている。
    • エンジンAは、打ち上げ直後の試験で動作不安定が発見されたので、予備機扱いとなった。エンジンBからDの3基でイトカワに到達した。
    • 昨年の4月、エンジンBが劣化から来る電圧上昇を起こしたので、動作停止。それ以来エンジンCとDで運用し続けてきた。
    • 今回、ついに残る2基のイオンエンジンのうち、1基がダメになってきたというわけ。
    • まだ、1基残っているし、いざとなれば動作不良で予備に回ったAを動かすこともあり。だから、まだ終わりではない。しかし、帰還がまた一層厳しくなったことは間違いない。
    • ここからは取材の過程で聞いた話からの推測。これまでの運行計画は来年3月まで2基のイオンエンジンを噴射し続けて必要な速度を稼ぎ、残る3ヶ月で、数回のコースティング(軌道修正)を実施、正確にオーストラリアのウーメラにカプセルを落とすことを狙っていた。
    • つまり、イオンエンジン1基でも、6月ぎりぎりまで運転を続ければ、必要な増速量を稼ぐことができる。しかし、軌道修正は、エンジン運転終了後に、おそらく1回だけになるのではないのだろうか。
    • Aエンジンは電源系にトラブルがあって、残る3基との同時運転が難しくなっているらしい。つまり、B-Dがダメになると、Aが使えるようになるというかなり皮肉な状況と聞いている。
    • 軌道修正に必要な噴射量(とっくの昔に二液式スラスターも空っぽなので、例のキセノン生ガス噴射を使うのだろう)は、地球から遠いほど小さくて少なくてすむ。だから、地球がかなり近づいてからの、軌道修正はそれだけで、大きなリスクとなる。
    • 4日にトラブルということは、おそらくこの週末を使って理事説明やら文科省説明やらしてきたのだろう、大臣まで行ったのだろうか? いずれにせよ、対策が決まった時点で記者会見があると思う。
    • ああ、まったくなんて探査機だ。そして、もういちど、はやぶさ2はまだか。本当にもう。前原大臣にメールでも送ろうかしらん。
    • @lizard_isana  blogに紹介しておきました。「今夜、月が見えたら思い出してください。「はやぶさ」は今あそこにいます。」