スパコンとコストパフォーマンス

もっともっと税金をつぎ込め、と言う主張は短絡であり、見当違いである。以前から指摘している通り、国際価格で調達がなされたと仮定すれば、ドイツ、イギリスなどと同等あるいはそれ以上の計算力を手に入れるに足る十分な額の税金を毎年毎年投入してきているのである。問題は調達で、調達の仕方が極めて杜撰なのである。国際価格に比べ数倍以上のベラボウな国内価格で調達しているのである。この杜撰な調達が続く限り、いくら税金を投入しようと無駄である。調達を国際価格で行うようにすれば、すぐにでも中国やイギリス、ドイツなどを追い抜き、ロシアや韓国を振り払う事が出来るのである。

重要なのは、コストパフォーマンスだ。『国際価格に比べ数倍以上のベラボウな国内価格で調達』しておきながら、米・独・英・中・仏にまで遅れを取る日本の国別計算力というのは、どういう体たらくなのか。どういうお金の使い方をしているのか。お釣りでガリガリ君とか喰ってないでしょうねッ!

世界一は、欲しい。だが税金投入を求めるなら、納税者の納得度というものは、うちうの果ての果てまでついてくる。

この点、従来型の意思決定プロセスは「餅は餅屋」であり過ぎた。大きな試練に晒されているのは「科学」でも「研究」でも「開発」でも「世界一」でもなく、「企業絡みの専門家と官僚の会議で方針が決まり、パブコメ儀式、議事堂シャンシャン」という意思決定プロセスの方だ。