「大型発電所をそのまま代替!」ちゅパラダイムを変えるというのはどうか。

「クリーンエネルギー」としての活用が期待されているはずの風力発電に、風当たりが強くなってきた。全国各地で、騒音や振動に対する苦情が相次いでおり、新規建設に反対する自治体も続出。ほかにも、強風でブレードと呼ばれる羽が折れたり、根本から倒壊する例もある。風力発電は曲がり角を迎えている形だ。

その風当たりで発電できんのかw(すいませんすいません)。
日本は風向風速が安定せず、台風が夏の風物詩で、土地も狭けりゃ人口密度も異様に高い。大型風力発電所というのはなかなか厳しいように思える。「だから原発!」というのは一案だが、「大型発電所をそのまま代替!」ちゅパラダイムを変えるというのはどうか。

地域や家庭で分散発電して蓄電もしますから、ユニバーサルサービスさん少し楽をして下さいね。みたいな。

といいつつ、たぶん既存電力会社の売上は減るのでユニバーサルサービスさんとしちゃ面白くはないだろう。ついでにダム工事や原発リッチ対策費も減るので、そちらの方面も難しい問題が出るだろう。

んが、別の市場が生まれる。無数の発電者が現れれば、原発の重要性はやや落ちる。丁度イソターネットで無数の情報発信者が現れ、マスコミの威望が昔ほどではなくなったようなものだ。

///

小口発電

風力発電では『風力発電機をオーダーメイドで作るメーカー株式会社シグナス』という会社が面白い。発電能力自体は小規模だが、どっちから風が吹こうが回る筒型で、騒音や振動も抑えられると言う。

太陽光発電では、昭和シェル石油が「世界の貧困層を太陽光で電化してやるぅ!」みたいな事を目指しているようだ。

なお上記では、『発電所や送電線網の整備が追いつかず、不便な暮らしを強いられてきた人々』を「ボトムオブピラミッド市場」と捉える考え方を紹介している。

60億人強の世界人口のうち1日2ドル以下で生活するBOPは40億人以上。これまで市場経済から取り残されていた「世界の3分の2」が実は市場として十分成立するという認識が強まっている。

この市場にマジになると、イノベーション*1が出るかもしんない。『水道の哲学 2.0』とゆうカンジだ。

他に、音力発電というナゾの発電方式が存在する。振動を利用するもので、『首都高全体に敷設されると、火力発電2〜3基分に相当する発電能力を持つ』らしい。

これは、電池の要らないリモコンにも応用されている。

小口蓄電と送電

これらでチマチマ発電したものを、「家の水桶」や「村の溜め池」、あるいはスティルスーツの如く溜め込みたいわけだが、電池技術は日本つおい。

多くの電機製品は直流で動くので、いっそ家庭内や構内の配電盤を直流送電にしてしまへという議論もあるようだ。そのほうがACアダプタの変換ロスが減るそうで。熱いもんなアレ。

このへんになると「コンセントの規格どうすんねん」て話になるが、『発電所や送電線網の整備が追いつかず、不便な暮らしを強いられてきた人々』から攻略してしまへという気がしないでは無い。

スマグリ

無数の発電者が現れれば、原発の重要性はやや落ちる。丁度イソターネットで無数の情報発信者が現れ、マスコミの威望が昔ほどではなくなったようなものだ。

ただし。無数の小型発電だけで電力需要を全て賄える可能性は高く無い。少数の大型発電者と無数の小型発電者「足りないところと余ってるところで電力を適宜融通しあうシカケ」が極めて重要になってくる。

日本は個々の要素技術に強いのだけど、このへんの構想力はイマイチかもしんない。

ダム工事や電源リッチ対策で喰うシカケが根強いなら、多くの人が「大型発電所をそのまま代替!」ちゅパラダイムの裡に留まるだろう。これは構想力とは別に、スマートグリッドの実現を政治的に難しくする。

余談

富は有利化されたるエネルギー(力)であります。しかしてエネルギーは太陽の光線にもあります。海の波濤(なみ)にもあります。吹く風にもあります。噴火する火山にもあります。もしこれを利用するを得ますればこれらはみなことごとく富源であります。

小島の所有者かならずしも貧者ではありません。善くこれを開発すれば小島も能く大陸に勝(ま)さるの産を産するのであります。ゆえに国の小なるはけっして歎(なげ)くに足りません。

*1:これを「技術革新」と訳したのは「もはや戦後ではない」を案出した方だそうで、09Q4現在では別の訳語を案出すべきな気がないではない。