800曲x100円=8万円
1)800曲の経済価値
購入経路 | 曲単価 | x800 | 備考 |
CD | 250 | 20万円 | 10曲入り2500円と仮定 |
iTS(a) | 150 | 12万円 | - |
iTS(b) | 100 | 08万円 | - |
※CDアルバムは価格設定が多彩なので、曲単価に直せばiTS(a)並の商品も少なくない。が、iTS(b)並はレアだろう。
2)iPodの単価
- shuffle:5,800円~7,800円
- nano:14,800円~17,800円
- classic:24,800円
- touch:19,800円~39,800円
3)7,800円で8万円
ビットレートや曲長で変動するが、最安のshuffle(5,800円)は2GB。800曲入れて入らないものではない。7,800円の4GBならまず収まるだろう。iTS(b)のパターンを取るとしても、7,800円で8万円ぶんの楽曲を人手に渡せる。
4)
iPodを人にプレゼントすんなら「空」てのはちと愛想がない。チマチマうるせぇ事いってんぢゃねーや、いいぢゃねぇかそのくらい。と思うのが人情ではある。「強欲な上に旧来のビジネスモデル維持に汲々とするばかりの昭和ノスタル爺」にも興味はない。が、iPodの代金に音楽家のとりぶんは含まれていない。
5)
大切な人に手許でコピーした音楽を渡したい。というキモチは、大切なものだ。法や理屈でコレを縛る事は極めて難しい。ただしソレは天賦人権というよりは一種の既得権益だ。それはテクノロジーが生んだ「生活習慣(病)」に過ぎない。「一滴で家電製品を複製できる薬品」があったら、また別の「生活習慣(病)」がはこびるだろう。
iPodは毎日ホイホイ配るようなものでもないが、世の音楽家としちゃ8万円ぶんの曲を実入りゼロ円でやりとりされてはたまるまい。レコード会社がどうなろうとオレは一向に構わないが、世の音楽家は多い方がいい。iPodが無くても死にはしないが、音楽が無ければ生きて行けない自信がある。
結局のところ、これは頭で考えて結論の出るような問題ではないのではないかという気もする。法律論や権利の主張などは、常に実態を追って抽象化し、正当化する努力だ。音楽家とリスナーの納得するバランスが成立する事が先だろう。
興行師はそれを提案する事が出来る。ただし押し付ける事はできない。レコードレーベルは興行師になり得る。モノツクリも興行師になり得る。ただし昭和ノスタル爺のままではムリだ。
6)
もしも800曲の全てがiTSで購入したものであれば、DRM(FairPlay)の有無に関わらず購入者のIDが埋め込まれてる筈だ。したがって、理屈の上ではiTunesを介した全消去は不可能ではない。実例は未見だし、シカケもたぶん未実装だが、トリガーは仕込んであるといったところ。
…たぶん。猊下はようすをみている。