10Q1現在、「非実在青少年規制」に「望み得る最善」は継続審議なんぢゃなイカ?

いやなんかこう、「決着」とか、「廃案まで油断できない」とか、そうゆうのも地味に違わなくなイカ?と思ったもので。
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ベース図

確か江戸時代のものだったと思うのだけど、「商売の極意」を示す台詞がある。
「あきないは、1客よし2店よし3世間よし
今様で言えば、1)お客様の笑顔が第一。2)だからって慈善事業ぢゃねぇんだよ。3)世間のヒョーバンも忘れるな。といったところ。

「だんな」は、中央から三角形の面積を最大化する存在。という事になる。

このバランスを維持して立っているのはなかなかの難題だ。

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パターンA)客が喜んで、店が儲かってるならいいぢゃなイカ

「お客様の笑顔」と「店の利益」の両立は、普段のあきないで覚えられないものでもない。つか覚えなきゃ倒産ですわなフツー。営業の自由や、表現の自由などは、近代社会の基盤でもある。

駄菓子菓子。それだけでは「世間様」がお留守になりがちだ。例えば、こういう状況↓は割とキツい。

痛いニュース(ノ∀`):“漫画が売れない” 日本国内のマンガ売り上げ、過去最大の落ち込みに

この場合、「店(店舗ではなく売る側全般)」は「カネになるもの」に夢中になりがちだ。どうかすると「世間様」がお留守になる事もあるだろう。これは十中八九、無自覚だ。大事なコトは二度以下略。これは十中八九、無自覚だ

ちと具体的な例を言うと、「表現のインフレ」。

通常、これは競争の中で徐々に進んでゆく。結果として「中の人の感覚」も「世間様の感覚」とはじわじわとズレてゆく。たとえば「TVアニメではできない表現を」と考えて始めたまんがが、なんとアニメ化決定してしまい、え、やるんですかと言いつつ断るヤツぁ居ない。その結果ボカシだらけでナニ映ってんのコレ前衛芸術デスカ。みたいな。「とてもTVではお見せできません」というワケで、「DVDを買ってくださいね」というワケで。それを見た他の人が良しそれならこっちはこうだと、そんな具合に「表現のインフレ」がじわじわと拡がってゆく*1

客は喜ぶかもしれん。店も儲かるかもしれん。しかし、いずれドコカで「度を超える」。だけど「なかのひと」は気付かない。客も店も「じわじわと」そこまで来ての事だから気付け!と言うのも難しいんだが、いつかは世間様の堪忍袋の緒が切れる

このバランスをキープして立ち続けるのは、至難の業だ。もちろん世間様は三番目、それ以上のもんではないが、三番目は三番目であり、それ以下でもゼロでもない。お留守で良いという法はない。

迂闊に「イマドキこんくらい「ふつう」だよ!客が喜んで、店が儲かってるならいいぢゃなイカ*2」と言おうものなら「世間様」がおさまらない。「これは文化だ表現の自由だ。シノゴの言われる筋合いはねぇっ!」などとやろうものなら「世間様に火に油」だ。

「いくらなんでもその言い方はあんまりぢゃなイカ!」は、言わせてもらわにゃならないが、基本的にまんが好きは、山の頂きの傑作を見てものを言う。世間様が見てるのは、その裾野のゴミの山だ。噛み合わせは良く無い。

10Q1現在、「都議会三十号議案 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」は、「お客と店」から見れば廃案になるのが「あんしん」かもしれない。しかしそれで「世間様」がおさまるかと言うとちと疑問なんだが、どうか。もちろんアレを支持はせんが、満員電車の中で「ボクのエクスカリバー!」とか読んでる女子高生はどうかと思うんだが、どうか(ホントに居たw)。

パターンB)あたりまえの正論でガンと言ってやればよい。

左図の状況が達せられた場合、まんがは、凍結保存のスナップショットを「文化」と崇め奉る事になる。ハレンチ学園は大丈夫ですよったって、今読んで楽しいのかよハレンチ学園w。いや永井豪さんには大変失礼な話だけど、そのセンスは文化に対する侮辱だわw。リアルタイムであれを文化と呼んだ「マトモなオトナ」は居ないでしょ。

おそらく。「廃案」は却って左図のリスクを増大させる。「世間様」は再び「討議非公開・資料非公開・ベタウチ議事録のみ公開」の「諮問機関」に戻るダケだからだ。あるいは、「暴力的漫画家集団の目に触れぬよう、もっと気を配る」。

もともと「世間様」は「目に余る!」と思っているから動いているワケで、科学的海老でん須*3だの、犯罪への影響だの、XX規制が無いのは日本だけ!だのには、ホントはたいして興味も関心も無いんぢゃなイカ。要は、表現の自由とかそういう事じゃないの、そっちに持っていかないで!気持ち悪いの!目に余るの!!』てトコなんぢゃなイカ

そゆのストレートにぶつけてもいいと思うんだけど。なんでしないの?日経脳?

それに対して自由を掲げて突っ走るのは、文字通り自由(aka.末路哀れは覚悟の前)だ。ただし「あきない」としての生残は期し難い。もちろん、誤爆上等の過剰規制は弾かせて頂かねばならない。しかし、それだけでは、持続し得るまんがビジネスの発展は達せられない。「あきない」は、客よし、店よし、世間よし。正義や権利ぢゃできてない。

ここまでは「世間様」に遠慮して、表現を丸める道。実はサクヒン・ビジネスに限っては、もうひとつの道がある。こちらはやや狭い。その門を潜った者は少ない。

最善であれ、最悪であれ、人は精神の血の輝きによって生きている。
エンターテインメントは、その輝きを明らかにするためのものに他ならない。


冲方丁マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust--排気』あとがき

ハレンチ学園は。アレたぶんマヂで覚悟完了してるんじゃなイカ?。真っ向から「マトモなオトナ」に喧嘩売ってたんじゃなイカ?。たぶんリアルタイムでは「マトモなオトナ」に言いたい放題言われてたんじゃなイカ?テレビとか新聞とかでガンガン言われてたんじゃなイカ?。奥歯の軋む音が聞こえるようだ。

その音が、「世間様」に無理くり「よし」と言わせたんぢゃないかなアレは(俺にはそうゆう文脈でしか面白くないんだアレは)。

ここは否決・廃案よりは、三十号議案を奇貨として、「世間様のいいぶん」を都議会の議事堂という「公開の場」で、存分にぶつけて頂いたほうが良いんじゃなイカ。ソレがまとまった形でオモテに出て来る機会は多く無い。ジャパニメーションだのソフトパワーだの、なんだかよくわからない日経脳の副作用だ。おかげで、「世間様のホンネ」てヤツは見えにくくなっている。もちろん「お客のいいぶん」と「お店のいいぶん」も存分に語って頂く必要があるとは思うのだけど、そこに安住しちゃってなイカ

耳を傾けべき意見は規制派の中にも多々ある。あまり知られていない悲惨な現実や困難な問題は、規制派の方がよくご存知だ。それらとの関係を証明する科学的な証明があるとかないとかではない。それらをインストールしたうえで、ナニを描くか、描かないか、個々に肚決めた方が、「望み得る最善」に近づけるんぢゃなイカ。それらをインストールしない限り、むしろ規制反対派の方に視野狭窄起こしたような、ヤスモノばかりが増えてくんぢゃなイカ

「決着」とか「廃案まで油断できない」とか、そりゃそーかもしんないけどさー。ホントはソフトパワー表現の自由も、別に大して興味ないでしょ?カネでしょカネ?。エロでしょエロ?。正直になれよぉw。…いや、ここで一人にしないでw。………おねがいだからw。

くうきよモーゼ。

聞こえるッ!んじゃどーしろってんだよ結論がねーよ結論がよー。って声が聞こえるッ! はは。

ありはしませんよ、そんなもん。正義のハンタイは別の正義、ダロ?死ぬまで悩むんだよ「望み得る最善はドコカ?」で。客よし店よし世間よし。で針の穴に糸通し続けるしかねぇんだよッ!。

おおむね20年周期で世間様が「目に余る!」と言ってくれるこの国を、自分は結構気に入っています。その度に、厳格な「論理駆動の法規制(欧米流)」を求める声を、「空気駆動の自主規制(みかわしのふく)」でしのいで来たこの国のまんが屋さんやアニメ屋さんやゲーム屋さんを、自分は、とても、気に入っています。なぜなら「社会的な許容範囲」は、時流に応じて変化してゆくものだからです。

この「時流タイムシフト」についてゆく上で。欧米流は「議会・法改正」というタイムラグが不可避です。そんな事で時流が掴めるものではありません。いくら描きたいもんがあるからってそこまでするヤツもいません。NYあたりで「げんだいげいじゅつのたて」そうびした方がはやい。

コレに対して、「空気駆動の自主規制」は、光の早さでついてゆけます。必要なのは、「今なら大丈夫、このくらいなら大丈夫!」という下衆な読み、「この出来なら手塚さんにだって胸を張れるゼ!」という覚悟。それだけです。それだけで済みます。読みを外してムラハチ喰らうか、アタリ掴んでビッグになるか。末路哀れは覚悟の前(aka.自由)

くうきよめれば道は拓ける。「事実上の単一民族」ならでわってトコじゃなイカ?。

オマケ:パターンC)利益なんて二の次三の次なんです。お客様の笑顔が第一なんです!

コレ、コンビニ弁当安売り問題の時にどっかの店長が言ってた。本稿の図は、この台詞に違和感を持ったのが起点。

現代では、組織も巨大化し、組織を超えたサプライチェーンも複雑化してるんで、「客よし、店よし、世間よし」はなかなか実感しにくい。

まず、「だんな」の機能は「株主」と「経営者」に分離している。だから左図は、「客」の対面に「株主」を増やした四角形とし、「店」は「従業員」に、中心の「だんな」は「経営者」にすべきかと思う。

さらに日本では、「経営者の機能(aka.責任)」と「株主の利益(aka.財産権)は、ケイレツ・モチアイ・終身雇用・共生思想(社内民主主義)などなどなどでグズグズになっている。いわば「だんな不在状態」だ。公開会社法だっけ、なんかああいうのの基底にある思想も、この5)番に分類できるんぢゃないかと思ってます。

もちろん、これでは立ちゆきません。銭の華は咲きまへんな。

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*1:別に聖痕のなんちゃらを槍玉に挙げたいのではありません。あれがああなのはあれなりの経緯の蓄積と様々な変動因子の結果ですよとゆう話です。一つ二つを人身御供に捧げたところで大ママ神のお怒りは解けませんしね。

*2:侵略!イカ娘はすごい好きですw。なにがどう好きなのかまったくわかりませんがすごい好きですw。

*3:なんかウマそうなのでこのままとしたひ。