時流タイムシフト:社会的な許容範囲は、時間軸に沿って変化する。
ハレンチ学園(1970,S45頃)
1970(昭45)永井豪作「ハレンチ学園」の追放を三重県四日市の中学校長会が決定,県青少年保護審議会に有害指定をするよう働きかける(「スカ−トめくり」や教師を卑劣な存在とする描写がマスコミでも問題に)
1970年
ハレンチ学園(2010)
- ZEO PROJECT: 東京都議会・総務委員会傍聴(3月18日)に行ってきたよー!
- 自民党 吉原委員の質問より抜粋。
- 今回の条例にあたり、さまざまな資料を他の委員たちも見るにあたって、「子供には見せたくないな」と思ったのではないか。それは、普通の感覚、常識だと思う。PTAからも同様な声が寄せられており、世界に誇る日本のマンガ、アニメ界はこのような条例を作ることによってより発展するものだと信じる。
- Q.皆、いろいろ心配しているようだが、ハレンチ学園は指定されるか。
- A.(*略*)ハレンチ学園は性交または性交類似行為が入っていないので、指定されない。
- 他の議員の皆様には、良識のある判断をお願いしたい。不健全なものは子供には見せたくないというのが普通の感覚、常識だと思う。これを反対するようなことがあれば、社会から多くの批判を受けることになる。これを規制するのはあたりまえのことであり、性犯罪を助長するようなことになってはならない。
所感
1)『1970,S45頃のハレンチ学園』は、「子供には見せたくないな」と思うのが「ふつう」なサクヒンだったと推測される。一方、『2010のハレンチ学園』は、「これは規制されない、だから心配には及ばない」との文脈で語られている。
2)この事から、2つの仮説が考えられる。
- 仮説A)1970と2010では、『ハレンチ学園』の内容が、ベツモノになっている。
- 仮説B)1970と2010では、普通の感覚、常識が、ベツモノになっている。
- ※世代間の感覚差を考慮すると、『あの『ハレンチ学園』を規制しないなんて、なんて親不孝な子だろうッ!』といったところか。
- ※一方で、普通の感覚、常識より親孝行や「古き良き日本の良識」を優先するのであれば、『ハレンチ学園』は、断然規制あるのみである。正論でガンと言ってやればよい。