10Q2-都議会・夏の陣:会派構成

会派 保有議席 賛否 備考
民主党 53 撤回 賛成派議員が造反の可能性アリ
自民党 38 賛成 都の提出条例/執行部に賛成の傾向
公明党 23 賛成 都の提出条例/執行部に賛成の傾向
共産党 08 撤回 鉄の結束
生活者ネットワーク・みらい 03 撤回 -
自治市民’93 01 撤回 断固反対派
日本創新党 01 不詳 -
  • 議席数:127
  • 撤回見込:065
  • 賛成見込:061
  • 見込不詳:001

反対会派

民主および生活者ネットワーク・みらいは「改正案撤回」

ただし、民主内にも賛成派はあり、事の性質上、反対に回ると「エロ議員」呼ばわりされかねない事、それでなくても築地移転問題で手一杯な事、そもそもこの手の問題は反対しても票にならない事、などから都議執行部の決定に不満の議員が「造反」の可能性があるようです*1
撤回を主導した「青少年健全育成条例PT」は26名。民主都議団の過半数には1欠けています。

共産党は「改正案撤回」と思われる。

古館和憲都議(共産党)は、3月時点で『「漫画、アニメ等での青少年の性的描写が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するとする学問的知見にはどのようなものがあるか」と質問し、青少年・治安対策本部から「学問的知見は見いだせていない」という答弁を引き出し』ています*2東京都議会の常任委員会名簿によると、同議員は本改正案を審議する総務委員会に所属する唯一の共産都議です。

5月に入ると、吉田信夫都議が『「今の改正案を撤回し、改めて業界の意見を聞くのが筋」と廃案を主張』*3、-日本ペンクラブの反対声明を取り上げ『副知事も知事も会員だ。その団体が反対とはどういうことなのか』と批判*4。などの発言を行っています。東京都議会の会派(政党)役員名簿によると、同議員は都議会共産党議員団の団長・幹事長です。

以上から、党として「改正案撤回」に回ると思わます。

自治市民’93は「断固反対」と思われる。

都議会議員福士敬子さんは、自サイトのトップページに『私は東京都青少年条例改悪に対して 断固として反対します!』と大書しています*5

賛成会派

賛成会派については、手許では特段の情報を集めていません。多少なと特徴的な例を挙げるとすれば

青少年健全育成条例、改正賛成
 3月には、驚く程たくさんのメールやFAXが来たのに、4月になってパタリと止まった。やはり作為的な反対運動だったのだろう。
 改正条例を再度勉強する機会だったが、改正賛成の私の姿勢は変わらない。
 内容を簡単にいえば、「インターネット等のトラブル防止」「児童ポルノの流出反対」は、あまり異論のないところ。
 問題は「子供との性行為を描いた悪質漫画」の扱いである。一言でいえば、こうした漫画を描くのも出版するのも自由だが、18歳未満の子供に売らないようにする、という改正内容だから、何も反対される理由はない。
 都民に、あの猥褻な性交漫画を見せれば、全員が条例による区分販売に賛成のはずだ。それを、表現の自由の侵害だなんて、あきれてものが言えない。

実際、反対しても票にならないのであれば、そう思うのが自然な事でしょう。全ての議員さんがこの条例案に造詣が深いとは限らないし、他にも問題が目白押しである以上、その必要もまたありません。そもそも、あの条例の「趣旨に反対する人」はほとんど存在しないと思います。
民主党都議の中にも、賛成したい向きは少なからずあるでしょう。

その他

自分は、あの条例の趣旨に反対する人はほとんど居ないと思う。

問題は、あの条例案に拡大解釈の余地が残っているのか居ないのか、だ。そこを突き詰めて議論できる人は、必ずしも多く無い。それを一般人に理解できるように解説できる人は、さらに少ないだろう。

教科書的な意味での「議員」とは。それができる人々の事だ。伊達ではない。だから「選良」と云う*6

なぜなら彼らが「法をつくる」からだ。なぜなら彼らが、「つくったもんの品質」に責任を背負うからだ。もちろん一人で全部できるとは限らない。「法に詳しい人」と「説明能力に長けた人」の分担は、あってもいい。

ただし、その製造プロセスに、官僚や審議会を噛ませる事には、一定の限度があるべきだ。なぜなら、彼らはドンケツの最終責任を背負っていないからだ。仮にどれほど優秀だろうと、彼らは選挙の洗礼を受ける立場に無い。

10Q1(冬の陣)では、自民・公明党の両党が都庁提出の条例案に賛成、民主・共産党生活者ネットが継続審議の立場で審議に臨み、全会派一致で継続審議の結果を見たが、民主党都議 くりした善行氏の発言によると、これ自体が『30年ぶり』であり、同氏は『議案がスイスイ通過する議会の仕組み自体に疑問を感じている』との事*7。わしもそー思う。『議会がセレモニーではダメ』だ。

Lawmaker(議員)のみなさんにはガンガン議論して、より良い条例を錬成して頂きたく思います。