10Q1-都議会・冬の陣までのスケジュール

手許では、今回の条例案は、以下のタイムテーブルで錬成されてきたモノと理解しています。

第28期東京都青少年問題協議会 摘要
12


2008.12.24 第1回総会
 委員名簿( PDF
 議事録( PDF
 諮問( PDF
第1回総会において審議事項を諮問
11

2009.01.30 第1回専門部会 議事録( PDF
2009.02.06 第2回専門部会 議事録( PDF
2009.02.17 第3回専門部会 議事録( PDF
2009.03.26 第4回専門部会 議事録( PDF
2009.04.24 第5回専門部会 議事録( PDF
2009.05.26 第6回専門部会 議事録( PDF
2009.06.25 第7回専門部会 議事録( PDF
2009.07.09 第8回専門部会 議事録( PDF
2009.10.15 第9回専門部会 議事録( PDF
専門部会にて
1)青少年とネット・ケータイをめぐる現状と課題
2) 青少年を性的対象とする図書類のあり方
について分析・審議、問題解決の方向性を検討
2009.11.24 第1回拡大専門部会
 議事録( PDF
 答申素案 概要( PDF ) / 全文( PDF
拡大専門部会において答申素案を審議
2009.11.26   東京都・パブコメ告知
2009.12.10 パブコメ募 集締め切り
答申素案に対する都民意見を募集
2009.12.27 第10回専門部会 議事録( PDF 答申案を審議
2010.01.14 第2回(?)総会
 議事録(100316現在未公表)
  答申 (PDF)/ 概要
  パブコメ結果概要
 ※ 答申に関する告知
総会において答申を知事に提出
■都議会 (10Q1-冬の陣)
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2010.02.24 東京都、議会に条例改正案を提出 2010年第1回定例都議会 第三十号議案
東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」
2010.02.25 都民が意見が言えるのは25日まで 藤本由香里さん
2010.03.04 都議会・代表質問 数日前に質問書提出が必要(同上)
2010.03.05 都議会・一般質問 数日前に質問書提出が必要(同上)
2010.03.19 都議会総務委・付託議案決定 全会一致で継続審議を決定asahi.com
2010.03.30 都議会本会議・会期末
2010.10.01 施行(予)

青少協の議論が足掛け12ヶ月半に渡っているのに対し、都議会の議論は足掛け35日です。
青少協が青少年問題にかかり切りなのに対し、都議会の議論は多岐に渡ります。
このスケジュールから、実質的な改正案の下地は、足掛け11ヶ月に渡る 「第28期青少協 専門部会」で錬成されたんだろうなと思っています。

より具体的には。都知事の諮問を受けた有識者委員のみなさんではなく、青少協の事務局として精勤された都庁の職員さん、オプションで警視庁の職員さん、さらにオプションで、それぞれに関連する中央官庁からの出向者の方々です。

「法律の専門家」という点では、彼らこそが日本一の専門家でしょう。また「行政に造詣が深い」という点でも、行政官僚が最強です。彼らが、直接に民選された首長の手足となって条例案を錬り、都知事の名前で提出する事には、自分は、まったく問題を感じません(審議会など使わなければ、なお好ましいとは思いますが)。

しかしながら。条例案は「法」です。法は議会で可決されて初めて実効性を持ちます。議事堂に選挙で選ばれた議員さんがみゅうみゅうに詰まっているのは、行政権が独走するリスクをチェックする為です。英語で議員の事を Lawmakerと云うらしいのですが、これはそのまんま、「法の製造者」と云う意味です。したがって、個々の議員さんには、法曹資格、ないしは、それに匹敵する行政経験が求められるのが原則だと思います。例外があり得るのは勿論ですが、「法の製造者」は「法律のプロ」で無ければ「製造者責任」を背負えない筈です。

  • 議会:法の製造者
  • 首長:法の執行者
  • 裁判所:法の番人

これが三権分立というものですが、三権分立は、権力の独走を防ぐ為にあります。独立した司法権を持たない日本の地方自治体の場合、二権分立という事になります*1。したがって、議会は、首長提出法案を、ことさらに厳しく精査して頂かねば、行政権力の独走防止の役目を、十分には果たせないと考えられます。

仮に、首長が出した法案を議会がホイホイ通すなら、そんなもん飾りです。廃止して税金を浮かす方が都民の為になるでしょう。銀行の穴埋めとか、五輪誘致の穴埋めとか、なぜか穴埋めしか思いつきませんが。

教科書的な理解ではありますが、その意味では、このスケジュールは、アンバランスだと思います。

*1:実は日本国の「議院内閣制」も、ゲンミツには「二権分立」なのだそうです。議院が首長を任命するという点で「議会と首長が一体化」している。と看做すのだそうです。