不沈戦艦・日本型全国紙

米国を中心に先進国では、新聞産業が斜陽化してきているのだが、日本は安泰とみられることもあるようだ。

これは非常に納得できる。「なかのひと」の自意識はともかく、ビジネスとしての「日本型全国紙」は、「不沈設計」に見える。

イ)「日本型全国紙」の特徴

  1. 記者クラブ」による情報寡占で「鉄の五角形」の一角を占める。
  2. 「日本型戸配制」で「情報の水道網」を自力保有
  3. 結果「日本型全国紙」は、それぞれに世界有数の部数。=資金豊富。

したがって。「日本型全国紙」は、ひとつひとつが大和なみ。魚雷の10発くらいぢゃ沈まない。少しくらい傾いたって「こんなこともあろうかと」機関室注水でもやりゃまだまだイケル*1。それが五隻の連合艦隊*2

ロ)補足:鉄の五角形

さらに報道面に於ける「日本型全国紙」は、「政・官・財・業・報 鉄の五角形」の一パーツでもある(日本型全国紙」は、下図の「報玉」に含まれる。)。

 この五者は、「ゲンバのイシキ」では相互に対立しつつ、「大きな枠組み」としては協調的に動作する。

「報」には、「政官財 鉄の三角形」や「政官業 鉄の三角形」を批判するという効能がある一方、「報」が絡む三角形や二点関係に踏み込む事がむずかしい。

2)「官→報」の例:人事院の上層人事。

1953年以降、人事官3人のうち1人は、毎日新聞朝日新聞、読売新聞、日本放送協会日本経済新聞と主要報道機関の退職幹部が歴任しているように、事実上の「マスコミOBの指定席」となっており、閣僚関係者からは「なにか起こっても報道機関が人事院を批判できるわけがない」と評価されている。

3)「報官財」の例:

 「意に沿わない原稿を出せば、試乗会やイベントに参加できなくなり、即座に廃業のリスクが高まる」(ベテランのライター)ほか、「Webサイトの主要な収入である広告がゼロになってしまう」(編集担当者)ためだ。
 実際、メーカー関係者からは「手厳しいことを書かれぬよう、ベテランを中心に定期的に接待を繰り返している」(某大手広報幹部)との声が漏れてくる。

エコカー減税をめぐる不透明な車重区分の存在、実燃費とメーカー公表燃費の大きな差など、日本の自動車業界全体をめぐる諸問題はほとんど報じられていない。

同様に「エコポイント」についても、ビフォー・アフターで日本の家庭消費電力が増えたのか減ったのか、また減ったのなら、投入された税金総額のコストパフォーマンスがなんぼだったのか、などの「結果検証」を見ない。

ハ)メモ:メディアザウルス・ジャポニカ種

「メディアザウルス・ジャポニカ種」は、日本固有の土に生えたものなので、「アメリカで起きたことが日本でもそのまま」は考え難い。韓国のとんがらしを日本の土に植えても同じ味は出ないのと同じ事だ。快不快や善し悪しは、また別の判断になる。

  1. 新聞類:
    1. 日本型全国紙
  2. テレビ類:
    1. 総務党 - デンパキチ - agehaメモ
    2. 総務党 - みなさまのNHK
  3. 出版類:
    1. ageha10: 日本の書籍流通に関するメモ
      • "価格カルテル"と"取次ローン"による「再チャレンジ・システム」。
      • 市場拡大期には「出版文化の保護・拡大・多様化システム」。
      • 市場飽和期には「過剰生産を若者の読書離れと呼ぶシステム」aka.文化の過保護。

他に、ケータイ、ゲームなどが考えられる。かな?

*1:もっとも、注水喰らう機関室の「なかのひと」は洒落にならない事になる

*2:讀賣,朝日,毎日,産経,日経