関取が門外漢を排除するのは疑問だが、門外漢が関取をいいように小突き回すのも愛が無い。
主題:
民主党は09/02/19の役員会で前田雅英氏(首都大学東京・都市教養学部長 =刑法=)の中央社会保険医療協議会(中医協)委員への再任に、不同意を決定。
理由(下線オレ):
- 「医療問題全般を議論するのにバランス感覚の点で適格性を欠く」。
- 過去の会合で、43回中8回欠席しており、欠席回数が最も多かった。
- 厚労省が設置した「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」の座長として、審議の進め方に問題。
以上、民主党で不同意を提案した足立信也参院議員の発言。下線部は、自分の「第28期東京都青少年問題協議会 議事録」の読後感と一致する。
その他
ぐり研ブログさん自身の感想筆頭は以下。
特に印象に残るのが昨年10月、大野事件無罪判決を受けての同検討会第14回会合における「大野病院事件の判決は、法律家の間では重視されない。それはやはり、一審判決でしかない。地裁の判断でしかない。法律の世界は、そこが非常に厳しくて、原則として最高裁でなければ判例とは言わない」との言葉でしょうか。
前田氏は、都青少年健全育成条例改正案(2010/05月)をめぐる都議会に招致された折りにも、やや似た論法を駆使されている(下記下線1)。専門知識の開陳という点ではありがたい話だが「黙って医者の言う通りにしてりゃいーんだ」的に響かない事もない。
改正案の基になった都青少年問題協議会の答申に携わった前田雅英首都大教授(刑法)も賛成の立場で意見を述べた。「1条文には分かりにくい部分もあるが、2他の条例と比べて突出しているとは言えない。業界とやり取りして運用のガイドラインを定めればいい」と主張。一方で、3答申作成の過程で漫画家らの意見を聞かなかった点については「不明を恥じる」と反省を述べた。
- よりわかりやすい条文になるよう、気を砕いていただきたいところ。
- 和風といえば和風(aka.行政裁量の幅が広い)だが、原理主義臭い事を言えば罪刑法定主義がgdgdになっている。自分としては、"あたりまえの事しか書いてない"あの条文に「グローバル・スタンダードなゼロトレランス運用」を乗せたら、「誤爆上等の過剰規制/まんが・アニメ・ゲームに対する枯れ葉剤」にならんかと危惧している。
- 第28期都青少年問題協議会 専門部会 会長として足掛け11ヶ月の議論を主導し、その間事務局の手助けも得、さらにパブコメも得ながら『以下の状況』に至ったのは、『バランス感覚の点で適格性を欠く』ように思う。
『以下の状況』
今回の都条例改正に賛否を表明している団体・個人をまとめてみた。賛成派は都議会周りが中核、反対派はコンテンツ産業とクリエイターが主体とみてよいだろう。
賛成派は石原都知事、猪瀬直樹副知事ほか1団体(社団法人東京都小学校PTA協議会)に対し、反対声明は以下の通り。
反対派
- 日本ペンクラブ:声明「東京都青少年条例改定による表現規制強化に反対する」
- 京都精華大学マンガ学部・国際マンガ研究センター:東京都青少年健全育成条例改正案に関する意見書について
- EMA(一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構):東京都の青少年健全育成条例改正案に対する意見
- MIAU(一般社団法人インターネットユーザー協会):「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正案についての意見書
- JAniCA(日本アニメーター演出協会):東京都の青少年健全育成条例改正案に対する意見
- 社団法人日本図書館協会:「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」について(要請)
- 東京工芸大学マンガ学科教員一同:東京都青少年健全育成条例案に対する東京工芸大学マンガ学科教員一同の意見書
- 出版労連(日本出版労働組合連合会):青少年健全育成条例の改定案に反対する要請書
- 流通対策協議会:東京都青少年育成条例の改定に反対する声明
- 出版倫理協議会(日本雑誌協会、日本書籍出版協会、日本出版取次協会、日本書店商業組合連合会で構成):「東京都青少年条例改正案」に対する緊急反対表明
- 全国同人誌即売会連絡会:「東京都青少年健全育成条例」の改定案について
- ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアム(ディー・エヌ・エー、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、楽天などが参加):「東京都青少年の健全な育成に関する条例」改正に関する意見
- 日本新聞協会:「青少年のインターネット利用制限の動き」に関する日本新聞協会メディア開発委員会の意見
- 東京弁護士会:東京都青少年健全育成条例「改正」案についての意見