日本オペラ連盟、文化庁に6300万円水増し請求
ロ)総額および手口
同庁によると、オペラ連盟は平成16〜20年度の5年間にわたり、3舞台芸術共同制作事業「トゥーランドット」など計12事業で、1実際は支出していない事業費の計上や、2支援対象外の事務費の上乗せなどで6272万円を水増し請求した。
おそらく。
- 架空支出や、
- 別事業の支出を、
- 補助金の使途報告書に記載。
と思われる。
ハ)下手人および事情
文化庁によると、不正請求を行っていたのは1昨年3月まで同連盟の常務理事兼事務局長だった元文化庁係長の男性(74)。一連の問題について2「オペラ公演を開催する際の経費が膨大で資金が不足し、水増し請求して対応せざるをえなかった」と説明しているという。
おそらく。
二)水増し金の使途
私的流用はないとしており、刑事告発は見送る方針。
想定される搾取金(5年間で6272万円)の流れ先は、以下の各団体の、経常事務費、公演費、など。
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既に図中の1.内部で「マネーロンダリング」は済んでいるなら、2〜7に渡る段階では追えなくなっている。筈だ。「貰う側」としても、おそらく特に自覚はない。
- (ロの3)「トゥーランドット」の舞台監督が、わざわざ「文化庁に出す報告書」を見て「実際に使ったぶんより多い!」とは言う事は考え難い。言うとすれば「ならもっと回してよ!」だろう。得られる(あるいは示唆される)回答は「次から見積もりで調整していただけますと…」になると思われる。
- また、各団体の事務職員の中に、「A事業の専従職員」「B事業の専従職員」「C事業の専従職員」を兼ねる「決算書上のスーパー(ウー)マン」があるかもしれない。だが文化庁の人が、各プロジェクトの人員名簿を精読して人名重複を発見し、「この人一人でこの短期間にこれだけの仕事をこなせるのか?」とか、通常そこまで厳しくチェックしてる事も考え難い。「出す側」は、「その手のチェックをすり抜ける報告書つくり」の達人でもある。芸術系の団体職員さんの中には、マジでそんだけ働いちゃう方があるのがスゲェところなのだけど、ご本人が受け取るのは「一人前」だろう。
- また仮に。全体としては予算縮減の筈なのに、なぜか例年通りの補助金が来る事業があったとしても、特に文句を言う者は無い。筈だ。
『私的流用がない』とは、大方はこれらの団体の日常経費に消えていった事を意味すると思われる。少なくとも、全額が「天下りのポッケ入り」したとは、個人的には考え難い。当のノンキャリさんも「毎日タク券」くらいはやってたかもしんないが、それで年間1千万も使うようなヘマはしないだろう。
なお、手許では、こうしたシカケは、芸術関連諸団体だけとは限らないと考えています。大学であれ民間企業であれ「霞が関の補助金」あるところ、ほぼ必ずみられる構造的なものと考えています。だって「補助金情報のイチ早いキャッチ」とか、「実際の申請事務」とか、「官庁への根回し」とか。ノンキャリの天下りさん一人いるとぜんっぜん違うから。一騎当千。