下流とか上流とか。

  • 平野耕太HPさあ調べろ!女はこっちの穴に隠すんだー!日記(消滅済)

(*年不詳。06頃か*)6月18日 日曜日

足立区

足立区は下流社会だという風潮があるんだそうな。
うーん。
たしかにね、
夜中に環七沿いのドンキホーテとか行くと笑うよ。
浮世絵が背中一面に書いてあるパーカーとか着てるヤンキーとかが
24時間営業のスロットゲームで換金できないコイン取った取られたで大喧嘩とかしてるもの。
多分、地球一治安が悪いんじゃないか?あの場所。モザンビークとかより。


正直な話、俺んちの前交番で、その治安悪い治安悪いっての実感まるでないし
僕の人格形成期の少年時代・学生時代で考えてみれば、
気持ちのいい公園が三箇所俺んちを囲むように点在し、
電車(東武線)に乗れば秋葉原まで25分で一本で行けて
北千住にはアニメイトがあって、いまや東急ハンズが出来て着ぐるみからチェーンソーまで揃う有様で
最寄り駅には本屋が4件、古本屋が3件、ゲーセンが4件おもちゃ屋が2件あって、
そのうち一軒は俺んちから歩いて15秒のところで、金曜日の夕方にはジャンプが入ってて
発売日の先日にレモンピープルとホットミルクとファンロードとアウト売ってて、
歩いて30秒でプラモデル屋があって、チャリで5分で東京マルイの本社、という
俺、足立区梅島に生まれてなかったら多分おたくになってない。いやウソ。訂正。
おたくにはなっていたが漫画家にはなっていない。いやウソ。訂正。
漫画家にはなっていたかもしれないが、こんな漫画家にはなっていない、と思うので、
感謝したり呪ったり素敵な町です。多分、俺、死ぬまで足立区に住むと思うよ。
俺、足立区だいすき。


ていうか、下流だと思うなら来なきゃいい。
我々も君らなど誰も求めたりしない。
自分達で中流だと自称するその場所で中流らしく、
自分達で上流だと自称するその場所で上流らしい、
素敵な生活を満喫して欲しい。
私達は私達で、私たちの幸せを見つけよう。
どこそこの土地に住んでいる人間を丸ごと十羽一絡げで
上流だ下流だと格付けして差別する事により
自分の矮小な欲求を満たす、自称中流上流の、
やけに哀れな「下流な」人々とは違う方法で。


ていうかね、俺の小学校のクラス、30名のうち、その環境で
プロの漫画家2人も出てるんで、(チャンピオンREDで桃魂ユーマ描いてる井上元伸さん)
環境は人生に大きく影響するね。間違いないね。
15人に一人漫画家だよ。漫画の専門学校だってもうちょっと確立低かろうよ。


全然関係ないけど。漫画家で思い出したけど、
俺の親父、たまに漫画家のお父さん、という人の家に行ってボロボロに麻雀で負けて帰ってくるので
誰かと思ったら森川ジョージさんの父親さんだったよ。はじめの一歩の。
多分、牌切ると同時にデンプシーロール食らってたんだと思う。間違いない。
もしくはフリッカー→チョッピングライトの待ちハメにやられたんだと思う。
さすが真柴、容赦ねえ。

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下流と思うなら喰わなきゃいい。彼らも君たちの商品やサービス、言葉や文化など求めていない。彼らは彼らで、彼らの幸せを見つけるだろう。

「彼ら」〜枝も葉も伸び放題の元気な草〜に盆栽の美しさは無いかもしれない。だが、そこで剪定バサミを手にするのは、彼らの「後の楽しみ」だ。どう育つかを楽しみに、ハサミは自分ちの盆栽にふるえばいい。

和歌、能・狂言、歌舞伎、浮世絵、落語、小新聞(こしんぶん。現全国紙)、小説、映画、テレビ、まんが、ファミコン。これらはいずれも「下」に始まり、当事者が「高み」に昇って水道の哲学を忘れた頃に劣化を開始している。他に枚挙の暇もない。

ゲーム屋さんやWeb屋さんは、まだ「下」だった頃の記憶が鮮明かもしれない。実際、今でも「下」に見る人は少なくない。でももう「伸び放題の元気な草」ではない。「夢見る頃」は過ぎている。

それでもまだ夢を見続けていたいなら、血の涙を流す事を、覚悟しなければならない。それがどれほど美しかったとしても。かつてどれほど憧れたとしても。「莫迦には見えない服」に心奪われた者は、「莫迦には見えない服」を売る事はできない。「この服が見えないなんて…」を顔に出す売り子に客はつかない。おとなもこどももおねーさんも、散ってゆく。

――若者の車離れが進んでいる。
「というより、自動車会社が若者から離れた。私がイベントなどで自ら車を運転するのは『あのおじさんは何であんなに楽しそうなんだろう』と、子どもたちに興味を持って欲しいから。大人が格好よく見せれば、子どもは車に興味を持つはずだ」

グチグチ親父に客はつかない。笑えばいい。ソレは他人様の口にのぼって初めて「こうかはばつぐんだ」になる。

かつて「上流」にコケにされ*1、悔しくて寝られなかった夜、なにをしてても「ゲームのチカラ」や「Webのチカラ」を考えていた頃、自分で見つけた、自分の幸せを、見せてやれ。

*1:車屋さんにとっては、重厚長大。石油石炭鉄鋼などがそれにあたる。おそらくはとても昔。50's〜60’sの20年ほど。それだけに豊田章男社長の即答ぶりには鼻血が出た。