ガラガラの乾電池棚と、満杯のエネループ棚
いやそーゆうのいいから。メインラインをVerUPして、後はカラバリでいいべ?んで規模の利益出して海外獲ればええやないの。店頭で客迷わしてどないすんねん。人口減市場を陳腐化戦術で細分化してどないすんねん....と、思った。
エネループとわたくし。
10Q4にスマホを買い、11Q1の震災で「一日持たない電池に対する不平」が「むーコレ深刻かも」に進化した。スマートフォン、一日過ぎたらタダの板。平時なら笑い話で済むが罹災時にそりゃ役立たずだ。
ネットにはスマホ専用充電電池というのがいろいろあるが、物流の荒れはなかなか収まらなかった。乾電池式ケータイ充電器*1は持っていたが、地元では乾電池棚が「末期ソビエトまつりフェア大絶賛開催中」だったので、見つけても手を出すのはちと躊躇われた*2。いかな計画停電地域とはいえ、たかが一日3時間。21時間はどこぞで充電できる。乾電池は罹災地向けだろう。
はてさてどうすべと地元をさまよう内に、大きな店ではエネループが山積みになっているのに気づいた。これは停電地域に回ってもあんまし意味ない。手許の乾電池消費を減らす。そして目の前に山積みであるからには、在庫も潤沢なのであろう。よし。これだw。
という事で単三6本と充電器を買った。以後、使っている。でも手持の乾電池2本式ケータイ充電器では、ちと弱い。もう少し容量が潤沢であるか、4本入る充電器に買い換えてもいいなぁ*3。と、機会があれば周囲の人々にも勧めてきた。簡単で、潤沢で、ラジオや懐中電灯にも使える。そりゃ、省電力性ならカンタンケータイが最強だがw。ありゃ伊達ぢゃねぇ。ハード・ソフト一体で機能も枯れてる。
人口減市場に陳腐化戦術は合わない。
で。
漆黒のproは従来より25%容量が増え、最小2400mAhを誇るモデル
これはなかなか良い。てゆうかスゲェ!。
白のplusは電池内にPTCサーミスタを内蔵し、誤使用時の電池温度上昇を抑制したモデル。
これは別に良い。てゆうかよくわからない。+-逆に入れたらすぐ判るんぢゃないの?とゆうカンジ。
eneloop依存症の方にとっては、すでにお持ちのeneloop充電器でそのままpro / plusの充電も可能というのがありがたいところです
また、置くだけ充電規格 Qi のパッドでeneloopを充電するためのキャリングケースも発表されました。こちらはふつうのeneloopが2本同梱。もちろんpro / plusにも使えます。
このへんは不味い。
まず。自分の話を聞いてエネループに手を出すような方々の多くは、自分よりくわしくない。彼らが自分で↑コレを把握したがるとは思わない。クチコミは、その手間を省く為にあるからだ。そして自分としても↑こんな細かい互換性情報を何時までも脳に置いておきたくない。従って彼らは、店頭に並ぶ「白の素」「白っぽいlite」「白のplus」「黒のpro」を見て、地味にメダパニるだろう。
「あまりくわしくない客」は、そんな注意書きを読む前に「めんどくせぇから乾電池」を手に取り、エネループの名を忘れる。「少し注意深い客」は充電器ごと買い換えて「やっぱ高くつくなぁ」と思う。次は乾電池に戻る。そんな人らの前でニヨニヨと「黒のpro」を捧げて「コレで2400mAh!最強最強最強!」などと舞い上がってしまった日にはマニアと呼ば…いや舞うけどね!?そこは空高く舞わせていただきますぐわぁ!(着地)。
人口減・かつ高齢化してゆく市場の中で陳腐化戦術をやるのは、自らの手で市場を細分化し、店頭で「あまりくわしくない客」を混乱させ、ブランドの信頼を落とす。袋小路だ。旧モデルをディスコンにして「エネループ2!」とか言い張る方が早い。ハイテクがイノベーションを起こすのではない。技術は種であり、栽培するのはマーケティング〜商材企画から店頭まで〜だ。世間様の圧倒的大多数に「ソレなしではいられない!」と言わせたもののみが、イノベーションと呼ばれる。
いずれは「長持ちの黒!」「ふつうの白!」「お安い緑!」くらいのセグメントが必要になるとしても、今がその時かというと、自分は疑問に思う。少なくとも自分の立ち回り先の範囲では「ガラガラの乾電池棚と、満杯のエネループ棚」は、物流が回復するまでの間「よく見る風景」だったからだ。