教育機関の社会責任(ESR)

企業の社会的責任(きぎょうのしゃかいてきせきにん / 英記:CSR: Corporate Social Responsibility)とは、企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、あらゆるステークホルダー(利害関係者:消費者、投資家等、及び社会全体)からの要求に対して適切な意思決定をすることを指す。日本では利益を目的としない慈善事業(いわゆる寄付、フィランソロピーメセナ)と誤解・誤訳されることもある

コレについては、商業活動それじたいが営利企業の社会責任(まっとうに利益を追求し、まっとうに納税を行い、まっとうに株主配当を出す事)であり、CSRの追求とは会社の成長そのものであるッ!。という考え方もあるのだが、ここではひとまず。「企業の社会責任とは、本業とは別の、エクストラな負荷」だとする。やらなかったからとて非難すべきものではないが、実践する組織はより深い敬意を以って報われるだろう。

ところで「Corporate」は、ゲンミツには「企業」とは限らず、あらゆる「法人」や「団体」を含み得るのだが、国内でCSRゆうたらまず「企業の社会責任」になるので、とりあえず教育機関の社会責任(ESR)」なる造語を勝手にたててみる。

こう云うと、教育とその為の研究にしっかり邁進する事こそがESRであり、ソレ以上を求めるのはオカシイッ!という考え方もあるのだが、ここはひとまず。教育機関の社会責任とは、本業とは別の、エクストラな負荷」だとする。やらなかったからとて非難すべきものではないが、実践する組織はより深い敬意を以って報われるだろう。

と・ゆう考えでEvernoteを漁ってみたところ、候補が三つ出てきた。

1)2012-04-24:夏の電力ピーク時にテレビ放送を休止してはどうか(山口浩) - BLOGOS(ブロゴス)

書いた方には申し訳ないのですが、これは「悪例」とさせていただきます。心情的には「まったくだ!」と思うのですが、本質的に首肯しかねる点が、三つあるためです。

  • a)NIMBYを加速する。:此方は、テレビ休止でお給金が減る立場にありません。したがって上記の「論」は、正論であれ暴論であれ、本質的に「なっと・いん・まい・バックヤード」に過ぎないと思います(尚、自分は教育関係者ではないので、本記事も同列ダロとお考え下さい)。
  • b)職業差別を培養する。:手許では、震災直後の自販機・パチンコ叩きを「マイルドなパニックの中で、普段は隠れている差別意識が剥き身になったもの」つまり「関東大震災における不逞鮮人暴動デマのわりと近い親戚」のように思って居ます。この点で、特定業種に負担を強いる思いつきには、いくばくかの慎重さが必要と考えています。
  • c)言論統制が繁茂する。:敗戦以前の内務省は、紙資源の不足と世論の後押しをバックに「俗悪紙浄化運動」を推進し、新聞社の統廃合や「のらくろ」掲載誌の発禁を「指導」しています。イマドキはWebがあるのでそのへんはOKよとゆう気もするのですが、三種の神器(テレビ冷蔵庫洗濯機)のウチ最も早く世帯普及率が100%に達した「テレビの力」は、いまだ侮るべきでなく、放送の伝播力(一網打尽力?)やテレビの浸透力は今もって捨てがたく、また現在の番組内容がどうであれ「ナニカの不足を起点に言論の多様性を弱める事を説く主張」には、相応の懸念を感じます。

本記事のタイトルは「教育機関の社会責任(ESR)」であって、此方は、それを一身に背負うお立場ではないのですが、その一翼を担う存在は「それを高める発言を心がけるのが社会人」だと思うので、敢えて挙げさせていただきました。「教育機関の社会責任」を「本業とは別の、エクストラな負荷を背負う事」だとするならば、上記の記事には首肯し難いものがあります。

但し。酒の肴や喫煙所のネタとしてならぶっちゃけ乗馬マシンなみに首肯しまくりなので、これでリモコンを駆使して「テレビによる節電」に走る人が増えると面白いなと思います。

2)2011-04-26:「500万kWhを産業界のために」東洋大学、夏休みを延長して8月〜9月の授業・試験を無くし節電に協力:Garbagenews.com

東京都内以外に埼玉、群馬にもキャンパスを持つ東洋大学は2011年4月18日、同大学内の夏休みを延長することにより8月と9月を原則として授業・試験を実施せず、電力ピーク時の期間における電力使用量を最大限に抑制する方針を発表した。大学側ではこの措置により、500万kWhの節電が可能になると試算している(【発表リリース】【当該学生に向けた公知リリース】)。

電力危機なら夏休み延長したらぁ!という気概は、東洋大学の権威を高め、ESRに対する覚悟の程を示す効果があると思います。

もちろん教育機関は社会にとって不可欠なものですが、しかしダイレクトに社会に付加価値をもたらす存在ではありません。この点で税金の投入先としては警察より軍隊に近いものです。ただし、軍備と教育は「効用の発揮点」が反対になります。「危地に軍隊・平時に教育」てなもんで。逆転すると「平和に軍縮・危地には"教縮"」。

東洋大学さんはコレを直球ど真ん中でやらかしたワケで、むしろコッチの方が恐縮してしまいます……もしかして:「本業とは別のエクストラな負荷」って、見栄やハッタリや甲斐性や男気やポトラッチの親戚かもしれません。

ところでコレを先生にとっての「プチサバティカル休暇だ」言い張れるかとゆうと、それはちょっと地味すぎる気もしますがw、学生さんは学費稼ぎのバイトなり、ギャップターム(aka.自分探しの旅)なりの時間を集中して取れる可能性がありそうです。いっそこのまま秋入学まで移行してしまえば「使い勝手の悪い科研費」〜春に申請して来るのが秋なので、実質的な研究期間が短くなるのだとか〜を、幾分かはまっとうに(aka."預け"などという"まっとうでない"手を使わずに)、カイゼンできるかもしれません。

このように。危地を制度で躱して見せるが文系の華(ソフトパワー)。だと思います。早い・安い・巧い。震災一ヶ月でコレを纏め上げる協同体(コ・オペレーション)は侮れません

白山の哲学はダテぢゃねぇw。と思いました。

3)2012-04-10:東工大 国内初 電力自給ビル公開 - 東京新聞

太陽電池パネル四千五百枚を外壁や屋上に張り巡らし、電力会社の供給がなくても太陽光発電などにより自給自足がほぼ可能な東京工業大学の研究施設「環境エネルギーイノベーション棟」(東京都目黒区)が完成し、十日、報道陣に公開された。同大や資源エネルギー庁によると、同種のビルは国内で例がないという。

これに対し、危地を技術でクリアしちゃうのが理系の華(ハードパワー)。だと・すれば。こちらは「こんなこともあろうかと」の極地かと思います。電力自給ができるなら、学の独立イヤ増すこと疑いあるなし。渋い・スゴイ・燃える。それ以前からの計画ではあれ、震災13ヶ月目にコレを形にして出す協同体(コ・オペレーション)は侮れません

東京職工学校はダテぢゃねぇw。と思いました。