一般的に言って『高付加価値』と『無料』の両立は難しい。

デジコン委員会の傍聴レポートを上げるという宿題が片付いたので、いちいち傍聴レポートを読んでいられないという方向けに、デジコン委員会等で公になり、私が知り得た範囲内で理解している B-CAS カード関連の議論の状況を書いておきます。
まず、大雑把に各委員の属性でまとめたスタンスを表にすると、次のような姿になります。
(略)
えーこういう状況を把握した上で、B-CASが廃止されればバラ色の未来が待っていると思えるのだとすると、それは、その人の脳内は蝶々が飛んでるお花畑状態なのだろうと私は評価します。

ようするに、いわゆる「デジコン委」では、誰もコピー制御廃止は求めてない。

一応、この辺りの議論の流れを確認しておくと、次のような形になります。

  1. クリエイターがリスペクトされ、適切な対価の還元を受ける為に、無料地上デジタル放送で高付加価値な放送コンテンツを提供し続ける為に一定のコピー制御が必要である
  2. コピー制御を守らせるためには、何らかの強制手段 (エンフォースメント) が必要である
  3. 現在、この強制手段としては、B-CAS カードシステムという、技術と契約のエンフォースメントが採用されている
  4. これに批判があるので、見直して、改善方法を検討しよう

単純に太字箇所が不要になれば、下線部は瓦解する。

無料広告放送のコピー制御が気に入らない人にとって最も効果的な行動は「コピー制御が必要である」という最初の前提部分を否定することです。

B-CASとは別のコピーコントロールを持つ有料放送を育て、『高付加価値な放送コンテンツ』をそちらに逃がすべきだ。だいたい『高付加価値』と『無料』は両立するという前提がアタマおかしい。いやゲンミツにはおかしかねーけど、「基幹放送」とかいってそれを保護しようてぇのはアタマおかしい。R25は嫌いじゃないけど、アレだけで世の中語るのは、あまりに脆弱だ。

広告無料放送は、スカスカになるべきだ。その上で、コクミン最後の情報セーフティネットとして、コピーコントロールを撤廃すべきだろう。