ロ)事実上の内閣

事務次官会議は事実上の連立内閣である。

内閣府の役割は、首相の資質で大きく異なる。

  • 小泉内閣では「官邸主導」のキーファクターとして12省庁の頭を抑えた。
  • 小鳩政権は事務次官会議を廃したが、事務次官までは踏み込めなかった。
    • また政策調査会を廃し、陳情を党に一本化する事で、A)「官僚による族議員化教育」を防護し、B)「小沢派以外の派閥の形成」を抑止し、C)「事実上の政党の民意収集力」を奪いにかかった。
  • 続く仙菅政権では、「官邸の国家戦略室」の「省庁間の調整機能」を強化する方針が示されているが、これは人事次第で事務次官会議の代品になり得る。
    • また上記A~Cを全廃した。
    • これらは、外形的には「旧い自民党に戻した」という事だ。ナカミはもとより大差ない。

要するに、内閣府の機能は、首相(あるいは上層部のキーマン)の構造理解力、指導力、人事強制力で、どうにでもなり得る(ぶっちゃけ小泉純一郎さんと小沢一郎サン以外は、官僚内閣制の意味も怖さも理解していないように見える。両者は思想も手法も異なるが、官僚内閣制を潰しに掛かったという点では共通点があり、首尾も一貫している。)